以前のブログで、日系企業からアメリカ系企業へ、またはヨーロッパ系企業への転職についてとそれぞれの違いをお話ししました。その中で、企業カルチャーや意思決定プロセス、ワークライフバランスなどが全く違うという点に触れました。
しかし、日系企業か外資系企業かと迷っている方以外にも、大企業からスタートアップ企業への転職を迷っている方もいるかもしれません。そのような方の決断を少しでもお手伝いするために、こちらではスタートアップに転職することでどのような変化が起こるのか、決断のヒントになる情報をお伝えしていきます。
予測不能な毎日
大企業では、仕事のプロセスは大体決まっています。それが流れが遅いとか退屈だとかいう事ではなく、大企業はこれまでに様々な予測不能な事態に陥り、それを解決してきた経験があり前例として残っています。ところが、スタートアップ企業ではこれまで経験したことのない不測の事態に陥った時に、その都度新しい解決法を見つけていく必要があります。あなたがもし、常に新しい事に挑戦するのが好きなチャレンジ精神旺盛の方であれば、スタートアップで働くのは面白いかもしれません。
意思決定スピード
大企業で新しいプロジェクトが発足する際は、何週間も前から会議予定が入れられ、社内で入念に話し合われます。ところがスタートアップ企業では、意思決定はとてもスピーディに行われます。社長が同じ部屋で働いている事も多く、プロジェクトに関する承諾を得たり、質問をしたり、感想を聞いたりということがとても簡単です。大企業では、同じ建物内に社長がいることさえも稀かもしれませんね。
さらに、多くのスタートアップでは大企業に比べて従業員の人数が少ないため、一人の社員が分野の異なる仕事を数多く担当します。特定の部署に配属され、決まった商品やサービスのみを担当する場合が多い大企業に対し、スタートアップの社員はなんでも屋のごとく、複数の部署をまたいだ数種類の仕事を任されます。そして多くを学び、様々なスキルを習得することができます。専門分野にフォーカスして、決まった事のみ担当したいと考える方には、あれもこれも任されるスタートアップの環境は向いていないかもしれません。
工夫力
多くのスタートアップは創業して数年の間、限られた予算の中で事業を行います。ですから、従業員はお金をかけずにあれこれ工夫する必要が出てきます。これが創業して何十年、何百年も経つような大企業であれば、予算にも余裕があり、仕事を任せられる従業員もたくさんいます。スタートアップで働く場合、いかに効率良く、工夫しながら仕事するかがとても重要になってきます。
影響力
従業員が何百人もいるような大企業では、影響力のある存在になることや、目立つことはとても大変です。これがスタートアップだと、会社に影響を与えられるだけでなく、ビジネスにおいても幅広いエリアで影響を与える人になることが可能です。重大な決断に携わり、会社の長期的成功を左右する一人になることもできるのです。国際的にビジネス展開するような大企業の場合であれば、小さなスタートアップでは及ばないような、もっと巨大な社会的影響力を組織全体で持つことができます。スタートアップでも大きな影響力を持つ会社に成長する可能性はありますが、そうなるまでに数年かかるでしょう。
企業文化
スタートアップ企業では、企業文化やスタイルがまだ確立されていないので、もし早い段階で入社すれば一緒に作り上げていくことができます。多くの大企業が伝統的でフォーマル、服装ルールなどが厳しいのに対し、ほとんどのスタートアップはその真逆です。多くのスタートアップは職場がオープンフロアで、上下関係がゆるく、従業員の服装もカジュアルです。もしあなたが毎日スーツを着て通勤するのに疲れた、もっとリラックスした環境で働きたいら、お堅い企業文化は合わないと考えているなら、スタートアップは良いオプションでしょう。
安定性
スタートアップに転職するデメリットの一つが、安定を失うことです。大きな企業は安定しており、会社が突然倒産したり経営悪化する可能性はそこまで高くはありません。しかしスタートアップでは、そのようなことがいつ起きてもおかしくありません。さらに、予算が潤沢にある大企業では従業員への福利厚生や諸条件が手厚いのに対し、スタートアップではそれらが期待できないこともあります。
事前に知った上でリスクを積極的にとるのがスタートアップの考え方です。もしそれがあなたの希望する働き方であれば、ぜひスタートアップへの転職も検討してみてください。
まとめ
新たなチャレンジが多いスタートアップ企業では、ワクワク・ドキドキに満ちた毎日を送ることができる
大企業は組織全体として社会的影響力を持つことができるが、個人の影響力は小さい
スタートアップはもっとリラックスしていて、職場の上下関係も少ない
あなたはリスクを楽しむタイプですか?それとも避けるタイプですか?大企業とスタートアップ企業の違いをきちんと知って、転職があなたに本当に合っているのかを冷静に見極めましょう。