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企業法務(インハウスカウンセル)の仕事内容とは?~取引法務の場合

(企業法務)インハウスカウンセルの業務は、概ね「取引法務」「機関法務(ガバナンス)」「コンプライアンス」の3つに分類できます。大手企業においては、3つの分野にそれぞれ担当グループ(または担当部署)が設置されていることが一般的です。

中でも「取引法務」は会社のビジネスを直接サポートする重要な機能であり、インハウスカウンセルの募集では、この取引法務がメインまたは専任となるポジションが多くなっています。

そこで今回は、取引法務を担当するインハウスカウンセルの業務内容について詳しくご紹介します!

  • 契約書審査(レビュー):大きな割合を占めるのが契約書審査です。クライアントや取引先など相手方から提示された契約書を読み込み、自社に不利な条項を指摘し修正案を作成します。マーケットスタンダードから外れている条項を指摘することもあります。契約とは究極、「危険をどちらがどこまで負担するか」の交渉なのですが、業界によっては危険負担についてスタンダードが確立していることがあり、逸脱を指摘することが求められます。大手企業では自社の雛形を持っていることが普通で、この場合は雛形に対する相手方の修正の審査をします。また、大手企業ではレビュースタンダードがあり、自社にとって譲歩できない条項が明確に定められていることもあります。グローバル企業にこの傾向が強く、カウンセルは日本の慣例と本社スタンダードの間でタフな交渉に関与することもあります。

  • 新規・既存ビジネスについての社内相談:契約書締結後、既存ビジネスについてアドバイスを求められることもよくあります。単純な相談もあれば、プロジェクトが順調でない場合のエグジットや相手方への請求といった重めの相談もあります。再交渉や修正書作成などに発展することもあります。新規ビジネスへのアドバイスに関しては、ライセンスや規制についてが主なもので、法令リサーチに発展することが多くあります。

  • 契約交渉のサポート:スピード感が求められる契約交渉の席に、ビジネスサイドと共に交渉テーブルにつくことがあります。ビジネスに関係しない法的な条項で合意できない場合には、カウンセル同士で直接交渉をすることもあります。

  • 覚書、修正書などのドラフト:既存契約の修正は日常的に起こります。シンプルな修正であれば法律事務所を介さず、社内のみで対応することになります。

  • 法律事務所のマネジメント:大きなプロジェクトでは、法律事務所が代理で契約交渉や契約書の作成を行います。この場合、上記の契約審査は法律事務所が行いますが、当事者としてのコメントを求められます。インハウスカウンセルとしては、法的な条項は自身がコメントし、ビジネス上の問題は経営側にコメントを求めるなど、交通整理のような役割を果たすことになります。予算管理をする必要もあり、見積りから逸脱した場合などは、カウンセルが法律事務所と相談して調整することも多く発生します。

  • ビジネス関連法令のリサーチ・レポート:ビジネス関連の法令に改正があった場合、リサーチのうえ会社として求められる対応についてレポートします。経営に大きな影響が出る場合は法律事務所を利用することもありますが、第一歩としてはカウンセル自身がリサーチしたり、法理事務所の無料セミナーを利用したりして情報収集を行います。

  • 社内セミナー準備・発表:社内セミナーの企画・運営・実施を行うのもカウンセルの重要な業務です。取引法務上ビジネス側が留意すべき点や、法令改正を中心に準備して発表します。


いかがでしたか?それぞれの業務の割合は各企業によりまちまちで、企業や法務部門のチーム構成等によっても大きく変わってきます。

取引法務は会社の運営を直接サポートするため多忙になりがちですが、それが醍醐味でもある職種です。社内外でのやりとりも多く、またより深く案件に関わってインハウスカウンセルとしてのプレゼンスを高めることもでき、経営に深く関わるやりがいを感じられる分野です。

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