多くの企業が採用活動の質を向上させ、プロセスを効率化するためにRPO(採用代行)の導入を検討していますが、その仕組みや導入メリットについては十分に理解していない場合も多いのが現実です。自社にとってRPOが適切かどうかを判断するためには、基礎的な知識と具体的な導入のメリットを理解することが重要です。
本記事では、RPO導入のメリットと基本情報をわかりやすくまとめています。RPOの基本や大枠を簡単に理解できますので、導入を検討する第一歩として、ぜひご活用ください。
目次
RPOとは
RPOが注目される理由
RPO(採用代行)の業務内容
RPO(採用代行)とその関連サービスの違い
RPO導入の6つのメリット
RPO導入に向いている企業
RPO(採用代行)の依頼から実施までの流れ
RPO導入企業の成功事例
RPO導入に関するFAQ
RPOとは?
RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、採用業務を外部パートナーに委託するサービスです。「採用アウトソーシング*」や「採用代行」とも呼ばれ、企業の採用活動の一部、または全体を代行します。
RPOを導入することで、企業はリソースを効率的に活用できます。具体的には、重要度の低い業務を外部にアウトソースすることで、社内のリソースをより重要な業務に集中させることが可能です。
*アウトソーシングという語は、「out(外)」と「sourcing(資源利用)」から来ています。また、単にコスト削減を目的とした「外注」は、アウトソースやアウトソーシングとは異なる概念です。アウトソーシングを活用することで、業務効率を向上させ、専門知識を持つ外部のリソースを活用することで、経営体制の強化が図れます。
RPOが注目される理由
株式会社矢野経済研究所の2024年の調査によれば、2022年度の人事・総務関連業務アウトソーシング市場は前年より7.0%増加し、2023年度も同様に6.7%の成長が予測されています。特に、RPOを含む人事業務アウトソーシング市場は4.0%の成長を見せています。
日本では人手不足が恒常的に続いており、企業は間接業務からコア業務へリソースを集中させるため、RPOの利用が進んでいます。人材不足により、社内の人材を戦略的に活用する必要性が高まり、これがRPOの需要を押し上げています。
RPO(採用代行)の業務内容

採用計画の立案:
自社の採用課題を確認し、解決に向けた業務フローを提案。
「どの人材を」「何人」「いつまでに」採用するかのタイムラインを定め、事業計画と整合させます。
母集団(候補者プール)形成:
自社に興味を持つ候補者を集めるため、求人広告や効果的なスカウトメールを作成。
求人媒体への出稿手続きやエージェントへの依頼、説明会の企画・運用など、企業に関心のある求職者を増やす一連のプロセスをRPOが代行します。
応募者の管理・スクリーニング:
応募基準をもとに応募者を選定し、書類選考や問い合わせ対応。
これにより、企業の採用担当は重要な採用業務に集中できます。
採用選考:
合格/不合格通知、面接日程の調整などの管理業務。
企業の採用担当が面接に集中できる環境を提供します。
内定者のフォロー:
内定者への定期的な連絡を行い、入社意欲を維持。
応募者の辞退を防ぎ、優秀な人材を確保します。
定着支援:
入社後のフォローや早期離職を防ぐための施策提案を行います。
レポーティング・改善提案:
上記も採用実務はRPOが代行しますが、状況は常に依頼主の企業に共有されます。
採用に関するKPIを設定し、進捗状況が可視化されるため、常に詳細なレポートを基に改善提案を行い、プロセスを最適化できます。
RPO(採用代行)と企業の採用担当の業務の違い
業務の範囲:
RPO: 採用プロセス全体を外部に委託することが一般的で、求人票の作成から候補者の選考、面接、内定通知までを含む場合が多いです。必要に応じて、採用戦略の立案や分析も行います。
企業の採用担当: 通常は自社の採用活動に集中し、プロセス全体を管理しますが、業務負担が大きい場合には、特定の業務(たとえば、面接の調整や書類選考など)を外部に委託することがあります。
専門性:
RPO: 専門のチームが採用業務を担うため、最新の採用手法や市場動向に精通していることが多く、より効果的な採用戦略を提供できます。
企業の採用担当: 自社の文化やニーズに基づいて採用活動を行いますが、必ずしも外部の専門知識やトレンドに常にアクセスできるわけではありません。
リソースの利用:
RPO: 外部リソースを活用することで、企業はコア業務に集中できるようになります。
企業の採用担当: 内部リソースで採用業務を行うため、業務負担が大きくなる場合があります。
要するに、RPOはより包括的で専門的なアプローチを提供し、企業の採用担当者が直面する課題を軽減する手段として利用されることが多いです。
RPO(採用代行)とその関連サービスの違い
サービス | 特徴 | RPOとの主な違い |
BPO (Business Process Outsourcing) | 採用以外の業務も対象のアウトソーシング | RPOは採用業務に特化 |
採用コンサル | 採用課題の改善提案を行うサービス | コンサルは提案が中心、RPOは実行 |
人材派遣 | 派遣社員に企業が直接指示し、特定業務を行わせるサービス | 派遣は企業が管理、RPOは外部が全体を管理 |
人材紹介 | 候補者を紹介するサービス | 紹介は候補者提供が中心、RPOは採用全体を支援 |
RPO導入の6つのメリット

①コスト削減と負担軽減
RPOを利用することで、応募者管理や採用活動にかかる人件費を削減できます。面接スケジュール調整や書類管理などの業務をアウトソーシングすることで、重要な業務に集中できます。
②採用活動の質向上
RPOの専門家による最適な採用方法の提案で、採用の効率が上がり、質の高い人材を短期間で採用できます。また、最新の採用トレンドを取り入れることで、時代に合わせた採用活動が可能です。
③専門性の高いプロセス学習
RPOを通じて、成功事例に基づいた効果的な採用手法を学ぶことができ、初めての採用活動でもスムーズに進められます。
④ 成果の可視化
RPOを利用することで、採用活動のパフォーマンスを視覚化しやすくなり、次のステップに進みやすくなります。
⑤戦略の質向上
RPOの専門知識を活用して、自社に合った採用戦略を構築し、採用活動のスピードと効率を向上させることが期待できます。
⑥業務の集中と残業抑制
煩雑な業務をアウトソースすることで、採用担当者はコア業務に専念でき、残業の抑制が見込まれます。
RPO導入に向いている企業
次の課題を抱えている企業にとって、RPO(採用代行)は最適な解決策となります。 該当する項目にチェックを入れながら、自社の課題とRPO導入の効果をご確認いただけます。
RPO チェックリスト
日本市場に進出したばかりで、現地での採用に関するノウハウが不足していませんか?
RPOを活用することで、現地の専門家による迅速なサポートを受けられ、採用活動をスムーズに進められます。
日本での採用に苦戦していませんか?
外国籍の企業が日本で人材を採用する際の言語や文化の違いに対応する専門知識を持ったRPOパートナーが効率的な採用活動を支援します。
事業立ち上げのために、一時的な採用支援が必要ですか?
新しい事業を立ち上げる際、RPOは限られたリソースで迅速に人材を確保するための強力なサポートとなります。
コスト削減をお考えですか?
採用活動の内製化でかかる時間やコストを削減し、RPOを通じて採用プロセスを効率化できます。
日本での採用について、現地の専門家からアドバイスが欲しいですか?
現地の採用法や法規制に関する専門家からのアドバイスを受けながら、効率的な採用活動が進められます。
すでに日本で事業を展開しているが、大規模な拡大を計画中ですか?
事業の拡大に伴い、大量の人材を短期間で採用する必要がある場合、RPOはその需要に対応できる最適な手段です。専門のチームが採用活動を支援し、拡大をスムーズに実現します。
採用チームが不在になってしまいましたか?
急な人事異動や採用担当者の不在などで採用チームが手薄になってしまった場合、RPOはその空白を埋め、採用活動を滞りなく進めるために必要なサポートを提供します。
これらの課題に該当する企業にとって、RPOは採用活動を効率化し、戦略的な人材確保を実現するための強力なパートナーとなるでしょう。
RPO(採用代行)の依頼から実施までの流れ
下記の図では、RPO(採用代行)サービス依頼前の準備から実施後の流れまで、各ステップを簡潔に確認できます。詳細な手順を視覚的に理解し、スムーズに採用代行サービスを導入するための参考にしてください。

エイペックスのRPOサービスが実現する採用成功事例 - ケーススタディから学ぶ
企業の成長に欠かせないのが優秀な人材の確保です。しかし、特に新興企業や国際的な市場での競争が激化する中、人事部門が十分に整備されていない企業にとっては、採用活動が大きな課題となります。ここでエイペックスのRPO(採用代行)サービスがどのように企業のニーズに応え、成功を収めているかを、実際の事例を通じてご紹介します。
1. RPO導入背景
ある国際的なバイオ医薬品企業は、日本支社において採用担当者が不在の状態でのスタートを切りました。そこで、エイペックスにRPOの導入を依頼した理由は何だったのでしょうか?
背景:
採用担当の不在: グローバルには人材獲得チームが存在するものの、日本支社に採用担当者がいないため、専門的なサポートが急務でした。
バイリンガルの採用担当の必要性: 日本での医療営業職(MR)の採用において、採用担当者が候補者とコミュニケーションをとるために日本語が必要でした。業務においてはグローバルとのやり取りも発生するため、高い英語力も重要視されました。
2. RPO導入による成功の鍵
エイペックスがこの企業に提供したRPOサービスは、短期間での大量採用を実現するためのものです。この企業のRPOを担当することとなったエイペックスの人材コンサルタントは、このプロジェクトにおいて、どのような特有のニーズに応え、どのように成功を収めたのでしょうか?
特有のニーズとエイペックス人材コンサルタントの対応:
データ管理の基盤作り: 初期段階では応募者トラッキングツールもなかったため、エイペックスの人材コンサルタントは自らデータ管理のシステムを構築しました。この柔軟な対応が、採用プロセスの効率化につながりました。
コミュニケーションの工夫: フルリモートでの業務において、シンプルかつ迅速なコミュニケーションを心掛け、週1回の1on1を実施することで、関係構築および抜けのない進捗管理を進めました。
3. 実績と成功事例
最初の契約期間は半年でしたが、その後さらに1年延長され、採用人数は30名から60名に倍増しました。この成功の背景には、エイペックスの人材コンサルタントが持つ日本的および国際的な視点が活かされています。
成功の要因:
業界特有の知識: エイペックスの人材コンサルタントが過去の経験から得た知見を基に、クライアントに対してウェビナーを実施するアイデアを提案し、実行に移しました。
ウェビナーの実施: 提案されたウェビナーは、候補者とのエンゲージメントを深める効果がありました。具体的には、よくある質問コーナーを設けたり、アンケートを実施することで、参加者のニーズを把握しました。このウェビナーは、候補者との信頼関係を構築するための新しいアプローチとなりました。
クライアントの声:
「エイペックスの質の高い RPO サービスに非常に感謝しています。TAチームの貴重な戦力となってくれた担当コンサルタントの卓越した仕事ぶりには大変感銘を受けており、日本市場に対する専門知識と的確な判断で我々の採用活動を成功に導いていただきました。今後も日本での事業拡大を目指す弊社にとってエイペックスはなくてはならない存在であり、引き続きRPOサービスの利用を継続したいと考えています。今後も協力し合い既存の関係をさらに発展させることで、我々の継続的な拡大と成功の大きな力になってくれると信じています。」(外資系バイオ医薬品企業)
日本市場進出時の人材サポート
エイペックスは、国内における一般的なRPOに留まらず、日本市場進出を目指す企業にも専門的な人材サポートを提供しています。エイペックスのバイリンガルコンサルタントは、日本的および国際的な視点を持ちながら、グローバルとも円滑にやり取りができます。そのため、採用パートナーとして幅広いサポートが可能です。
前述のケーススタディからも分かるように、日本への事業拡大や支社設立に際して、グローバル企業の中には現地の人事・採用担当や、日本統括責任者 (Head of Japan) といったキーポジションが未配置であるケースが多く見られます。これらの役職の採用が急務であったり、体制が整わない状況においても、エイペックスはエグゼクティブサーチやヘッドハンティングの専門的なネットワークを駆使し、迅速かつ高品質なサポートをご提供いたします。日本市場での人材獲得や急な採用ニーズにお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考記事:『海外企業が日本進出するには?日本のエグゼクティブサーチ会社によるまとめガイド2024』
RPO導入に関するFAQ

Q. RPO導入時の最初のステップは何ですか?
RPO導入において最も重要なのは、事前に「アウトソーシングしたい業務」を明確にし、業務フローや役割分担を整理することです。これをしっかり行うことで、後々の確認作業や採用業務の中断を防ぐことができます。
Q. RPO業者とどのように連携すべきですか?
採用基準や条件を事前にしっかりと検討し、RPO業者と密に連携することが重要です。連携が正しく行われないと、要件に合わない人材を採用するリスクが生じます。
Q. RPO業者選定で重要なポイントは何ですか?
業者の経験と実績は大きな違いを生むため、複数のRPO業者を比較検討することが不可欠です。経験が少ない業者に任せると、期待した結果が得られない可能性があるため、慎重な選定が必要です。
Q. 費用についてどう考えるべきですか?
RPOの費用は業務内容やボリュームに応じて変わるため、自社での対応と比較してコストパフォーマンスを考慮する必要があります。また、見積もりの条件や不明点を事前に確認しておくことが重要です。
Q. RPO業者の進捗確認はどう行うべきですか?
RPO導入後は定期的に進捗を確認し、報告書やミーティングを通じて成果をチェックしましょう。状況に応じて、軌道修正を行うことが理想的な採用活動を実現するために重要です。
Q. リクルーターの質はどのように確認すべきですか?
RPO業者に配置されるリクルーターの経験やスキルが採用結果に直結します。事前にどのようなリクルーターが担当するのか、その採用プロセスについても確認しておきましょう。
初めてのRPO導入にも、難易度の高い人材採用にも最適なエイペックスのRPO
エイペックスのRPOは、エグゼクティブサーチで培った豊富な経験を活かして、信頼できるサービスを提供しています。他の一般的なRPOとは異なり、エイペックスは日本市場に深い理解を持ち、業界ごとのニーズに合わせたカスタマイズが可能です。これにより、単なる採用代行ではなく、貴社の成長をサポートするパートナーとしてしっかりと機能します。
あなたの企業の採用プロセスと採用戦略の最適化をお約束いたします。今すぐエイペックスのRPOサービスをご活用ください!