リクルートメント業界で働いていると、本当に様々な転職ケースに遭遇します。業界、企業、職種によってあっという間に内定まで至るケースもあれば、面接が6回も行われる長いものもあります。
今回の記事では転職経験がなく、職場や仕事に満足していたものの他にチャンスがないか気になっていたAさんが、最終的に転職された時のお話をご紹介します。
1月:電話面談
Aさんとは以前にもお会いしたことがあり、情報交換や状況確認のためにしばらく連絡を取り合っていました。ある日、電話でお話を伺うと「今の職場や仕事には満足している。ただ、かなり専門性の高い仕事をしているし、もしかするともっと良い仕事があるのではと気になっている」とのこと。そこで私達は、彼の職務経験にマッチした最新の求人情報をご紹介しました。Aさんは求人内容をじっくりと確認してから応募するか考えたいとおっしゃり、後日また連絡を取ることになりました。
コンサルタントから一言:
私達がこれまでに転職サポートをしてきた多くの方が、「今より良い仕事などない。最初は転職なんて全く考えていなかった」とお話しています。専門性の高い職種の方は、経験やバックグラウンドにマッチした仕事に出会えるチャンスはなかなかありません。そのため、すぐに転職する気がなくても求人情報をチェックすることをお勧めしています。求人情報を詳しく見ていくことで、今よりも条件が良くキャリアゴールに合った仕事を発見できるかもしれません。
1月:企業へ応募
当時の企業で長く勤めていたAさんの履歴書や職務経歴書は、一切更新されていない古い状態でした。私達はAさんと一緒になって履歴書と職務経歴書を作り直し、彼のこれまでの仕事内容、業績、形成してきたキャリアやスキルなどを正確に入力していきました。
コンサルタントから一言:
履歴書や職務経歴書を作る際は、募集企業と職種をよく知るコンサルタントに任せていただくことをお勧めします。ご自身の業績、習得したスキルや積んできたキャリアを漏れなく記載することで、職務経歴書がより魅力的になり書類選考にも通過しやすくなります。多くの人がやってしまいがちな失敗を避けるためにも、応募申込書の確認も一緒にさせていただきます。もちろん英文履歴書の作成もサポートしています。
1月末:面接準備
Aさんは見事に書類選考を通過し、面接に進むことになりました。準備万端な状態で臨んでいただけるよう、私達はAさんとリモートで事前の面接準備を行いました。Aさんは面接官がどのような人物か気にされていたので、私達は面接官についてや企業の情報をお伝えしました。
コンサルタントから一言:
私達は、面接準備も含めた転職の全過程をサポートしています。コンサルタントは募集企業や職種について精通しており、その情報を元にどのような質問をされてどう答えるべきかをアドバイスさせていただきます。
2月~5月:3回の面接
一次面接は部長との電話面接。双方とも満足度が高く、すぐに次の面接に招待されました。二次面接は部門のシニアメンバーと行われました。
二次面接も無事通過したAさん。ただ、東京にある募集企業と他県に住んでいたAさんの面接設定は簡単には行きませんでした(当時はWEB面談は稀でした)。結果、二次面接から最終面接まで時間が空いてしまいましたが、募集企業に柔軟に対応していただき、双方の都合の良い日程で面接を設定することができました。
コンサルタントから一言:
面接日時は候補者の方と募集企業の都合にあった日時で設定できるよう、私達が間に入ってアレンジしますのでご安心ください。
5月末:オファー(内定)
最終面接は双方ともに大変前向きで、大成功に終わりました。募集企業は是非Aさんを採用したいという結果に至り、オファーレターを送る段階に。ただ、フェアな給与や諸条件を提示をするためには、事前にAさんの現在の給与を知る必要があります。Aさんの当時の給与体系は非常に複雑で、複数の要素の組み合わせで決められた金額だったため、私達が間に入ってAさんと詳細を確認しました。給与を交渉していく段階で、Aさんは提示されたボーナスが今よりも低いことが気になっていました。しかし中身をよく見ていくと、ボーナスが少ない代わりに基本給が高く、トータルで今より高い給与を得られることに気づきました。また、今よりも責任の大きな仕事を任せてもらえることにもAさんは満足し、最終的に提示条件を承諾しました。いよいよ転職が決まり、現在の会社を退職することに。今まで一度も転職したことがなく切り出し方のわからないAさんに、私達はいつどうやって会社に退職の意思を伝えれば良いのかアドバイスをしました。
コンサルタントから一言:
内定をもらえることになったら、表面上の額よりも提示された中身全体をしっかりと見るように候補者様にはお伝えしています。給与額や諸条件は、通常様々な要素から構成さています。前述のように、例えボーナスが少なくても基本給が高いなど、少ない何かが別の何かで補われ、全体で今よりも好条件になっている場合が多くあります。また退職に関しても、会社に伝える前に一度コンサルタントにご相談いただくようにお伝えしています。人によってはカウンターオファーを受けてしまう場合があり、それを受けることで多くのマイナスの影響が出てしまうこともあるため、事前にしっかり準備していただくようアドバイスしています。