就職活動や転職活動を経験された方なら、採用面接がどのような形で締めくくられるかはよくご存知でしょう。大抵の企業では、面接の最後の5分~10分くらいに「何か弊社に質問はありますか?」と聞かれるものです。
自己PRを無事に終え、難しい質問にもなんとか答え抜き、やっとこれで面接が終わる…と思わず気を抜いてしまうこの逆質問の時間。しかし、これはおしゃべりを楽しむサービスタイムではなく、あなたの合否をも左右する重要な時間なのです!
逆質問タイムは、あなたが受ける会社や職種についての疑問点を聞き出すためだけではなく、面接官があなたの適性を判断するためにも設けられます。鋭い質問や奥深い質問をたくさんすれば、あなたの会社への興味や熱意のアピールになります。反対に何も質問しなければ、興味もやる気も感じられないとマイナスに思われてしまうでしょう。面接で何を質問するべきなのか、逆に何は聞いてはいけないか、事前に知った上で面接に臨めるようにいくつか例を挙げていきたいと思います。
■面接で避けるべき質問
面接の中で絶対に避けるべき質問もあれば、時と場合によって避けた方が良い質問もあります。例えば、一次面接で給料やボーナスについて聞いてしまうのはあまりに早すぎで、欲深い人間だと思われたり、金銭のためだけに転職を希望していると思われる危険性があります。給料について聞くのはとても大切ですが、それは二次面接、三次面接と先へ進んでからの話です。また繊細な内容をあまりにストレートに聞いてしまうと、人間性を問われかねません。下記は逆質問で避けた方が良い質問の例です:
Q. 前任者はなぜ御社を退職されたのですか?
この質問はあまりに率直すぎて、場の空気を悪くしてしまいます。面接では自分からする質問も聞かれたことに対する回答も、できる限りポジティブな内容にすることを心がけましょう。
Q. 何か違法なことはやっていますか?
さすがにこうもハッキリと聞けるハートの強い方はいないと思います(笑)。しかし、これはたとえオブラートに包んで聞いたとしても場の空気を一気に悪くしてしまうネガティブ質問の代表です。会社がクリーンかどうかを知りたければ、事前にインターネットのニュースや口コミ、プレスリリースなどで情報を調べれば済むことです。もし万が一違法なことを会社で行っていたとしても、それを応募者に素直に伝える面接官などいないでしょう。
Q. 勤怠管理はきちんと行ってますか?
サービス残業はないか、勤務時間は一分単位で細かくつけてもらえるか、有休はきちんともらえるか…多くの方が気にする内容かもしれません。それでも面接でストレートに聞いてしまうのは考えものです。仕事を始める前からこれを聞いてしまうと、楽したい人間なのか、がむしゃらに働く気がないのかとマイナスに判断されかねません。
コンサルタントから一言:面接で会社にどのような逆質問をするかは、事前にきちんと考えておきましょう。好印象を残し、戦略的に面接官にアピールすることができるチャンスです。
■面接でぜひしたい質問
上で挙げたタブーな質問の代わりに、ここでお勧めする質問をぜひしてみてください。もちろんこれらが全てではありませんが、下記のような質問であなたの会社への熱意をアピールできます。そしてもちろん会社の情報を得ることもできるので、一石二鳥です。ぜひ、第一候補者として考えてもらえるように頑張りましょう!
Q. もし入社したら、最初にどのような業務を担当させて頂けますか?
これは「もしも」の質問ですが、あなたがこのチャンスを真剣に考えていることをアピールできます。こうやって聞くことで、面接官はあなたが実際に社員として一緒に働く姿を想像するようになり、それが自然と合格率を高めます。そして、あなた自身も入社後の数週間ないし数か月間の担当業務が具体的にわかるため、本当にやりたい仕事なのか、その会社に入社するべきなのかのを見極めるヒントにもなります。
Q. 〇〇さん(面接官の名前)から見て、御社の企業文化はどのような感じですか?
面接官の個人的な経験・意見を聞くことで距離を縮められるだけでなく、実際に働く社員から生の情報を得られる素晴らしい質問です。ネット上には載っていないリアルな情報を聞けるので、ぜひ取り入れてみてください。
Q. 御社にとって今最大の課題は何ですか?この職種に就くことで、どのように貢献できますか?
企業はどこも、積極的に挑戦する意欲のある人材や、目標を見据えて課題を解決する力のある人材に来てほしいと願っています。この質問をすることで、入社後にまずどのような課題に直面するのか想像できますし、解決策をあらかじめ考えておけば、実際に入社した時に即座に取り掛かることができます。
まとめ
よく考えられた鋭い逆質問をすることで、合格のチャンスが上がる
あまりに早い段階(一次面接など)で給料の話をするのはタブー
「もし私が入社したら…」と面接官にあなたが実際一緒に働いている姿を想像させる
面接官に個人的な経験や意見を聞くことで、距離感を縮めることができる