就職や転職活動では、面接で「あなたの長所・短所を教えてください。」と質問されることがよくあります。
ここで、何の意図もなく「私の長所は責任感が強いことで、短所は少し気が短いことです。」などと答えてはいけません。質問は一見シンプルですが、あなたの人柄や適性を見極めるための重要な質問であり、隠された意図を理解して回答する必要があります。
そこで本記事では、面接官がなぜ長所と短所を尋ねるのかの理由に加え、面接に適切な長所と短所の一覧、的確に回答するためのコツや具体的な回答例、NGとなる答えについて詳しく解説していきます。転職のプロであるコンサルタントの解説もありますので、きちんと対策をしてから面接に臨めるようにしましょう!
※面接全体の流れや質問例はこちら:【転職時の面接はどう進む?】全体の流れやよくある質問と対策をご紹介
※面接で聞かれる予想外の質問についてはこちら:実際に面接であった予想外の質問まとめ 対処法を解説!
目次
面接で長所・短所を聞かれる3つの理由とは?
「長所」と「強み」や「自己PR」はどう違う?
面接で「長所」を聞かれた時の答え方
面接で使える「長所一覧」と「仕事への活かし方」
「長所」の回答例5選【例文あり】
面接で「短所」を聞かれた時の答え方
面接で使える「短所一覧」「言い換え例」「改善例」
「短所」の回答例3選【例文あり】
長所・短所を答える際のNG例
コンサルタントが教える長所・短所を上手に伝えるコツ
長所・短所を見つけるための自己分析
面接で長所・短所を聞かれる3つの理由とは?
採用面接では、面接官は角度を変えながらさまざまな質問をしてきます。それは、あなたが「応募ポジションにマッチしているか」「自社で活躍しそうか」「どんなふうに会社に貢献してくれそうか」を判断するためで、長所と短所を質問する理由もそのひとつです。
まずは、長所・短所の質問の意図を正しく把握することから始めましょう。
①自分自身を客観視できているかを確認するため
自分の長所と短所を正しく理解し客観視できているかどうかは、仕事をしていくうえで大切なことです。会社はチームで仕事をする場所であり、「自分の長所を活かして活躍したい人」や、「短所を克服しようと努力できる人」と一緒に働きたいと思うものです。
そのため、あなたが自分の性格をしっかりと理解できているかどうかは、今後あなたがどう活躍できるかを考える会社にとっても重要なポイントとなります。
②会社やチームとの相性を知るため
面接官は、長所・短所の質問を通じて応募者の性格や人となりを判断します。 例えば、「協調性がある」「柔軟に対応できる」といった回答は、チームワークを重視する企業文化にマッチすると判断されるでしょう。上司となる人物との相性も重要であり、「自主性がある」「正義感が強い」という個性が上司と同じだった場合、衝突が懸念されてしまうこともあり得えます。
たとえ経験やスキルがマッチしていても、会社の雰囲気やチームカラーに合わないと早期の退職につながってしまうため、質問にはこうしたミスマッチを防ぎたいという意図があります。
③自社で活躍する人材かを判断するため
面接官は、最終的にあなたが組織で成功しそうか、長く活躍してくれる人物かを見極めるために長所・短所の質問をします。 例えば、「感情的にならずに冷静沈着に対話できる」のが長所であれば、クレーム対応の仕事に向いているかもしれません。「好奇心旺盛で行動力がある」という長所であれば、新しいアイデアやスピード感のある行動力が評価されるスタートアップに向いているかもしれません。
この質問で、あなたが仕事内容にマッチする行動パターンを持っているか、もしくはどんな業務が苦手と感じるかが判断されるため、内定の判断だけでなく入社後に任される業務内容が変わる可能性もあるかもしれません。
「長所」と「強み」や「自己PR」はどう違う?
面接でよく聞かれる「強み」は「長所」とよく似ていますが、面接官が聞きたい回答はそれぞれ違います。
長所 | ・その人の優れた性格や人柄、資質に起因するもの ・仕事でもプライベートでも応用できる 例)柔軟性がある、協調性がある、責任感がある、忍耐力がある |
強み | ・仕事を通じて身につけた優れたスキル・専門的な技術 ・仕事で直接的に活かすことができる 例)人材管理力、プレゼンスキル、問題解決能力、データ分析力 |
また、「自己PRをしてください」という質問もよく面接で聞かれます。「長所」は性格や人柄について話しますが、「自己PR」にも性格に起因する「長所」を盛り込んでも問題はありません。
ただし、長所との違いは「仕事上での実績」を必ず入れることです。 今まで仕事で培ってきたスキルや強み、会社への貢献を「具体的なエピソードや数字」を使って回答するのが自己PRです。そして、それらが応募先企業で活躍できる論拠となるように、求められる人物像に合わせてカスタマイズします。
面接で「長所」を聞かれた時の答え方
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では、面接で「長所」を問われたときの理想的な答え方をお伝えしましょう。
話す内容は1つに絞る
1分以内の内容にまとめる
「結論→理由→職場での展望」の順番で話す
では、「結論→理由→職場での展望」の順番について、下記で詳しく見ていきましょう。
結論から話す:まず「私の長所は〇〇です。」と短く伝える。
具体的なエピソードを使って理由を説明する:長所を裏付ける具体的なエピソードを話す。できる限り仕事上のエピソードを使い、そこに数字が入っていればなお良し。
長所をどう仕事で活かすかを伝える:自分の長所が次の仕事でどう活かされるのか、どのように会社に貢献できるのかを伝える。
また、面接では長所の質問の代わりに、
「あなたは周りからどんな人だと言われますか?」
「周囲の人は、あなたをどう評価していると思いますか?」
と聞かれることも多々あります。これらは長所や強みの質問と同じととらえ、答え方を少し変えつつ上記のフォーマットに沿って自分を良い点を話すようにしましょう。
面接で使える「長所一覧」と「仕事への活かし方」
ここまで長所を聞かれた際の答え方などをお伝えしてきましたが、ではどのような長所を挙げれば面接で高い評価を得られるのでしょうか?
下記に、面接でアピールできる「長所の一覧」と「仕事への活かし方」の例を挙げました。自分に当てはまるのはどれか、確認していきましょう。
長所 | 仕事への活かし方 |
積極的である | ・新しいプロジェクトに自ら進んで参加できる |
自主性がある | ・業務改善案を提案し、チーム全体の効率を向上させられる |
行動力がある | ・顧客からのクレームに迅速に対応し、顧客満足度を高められる |
柔軟性がある | ・急な納期や仕様の変更に際し、プロジェクト全体を俯瞰して新たなプランを策定できる |
適応力がある | ・職場環境の変化に際しても、チームを鼓舞しながら新しい環境でもモチベーションを維持できる |
忍耐力がある | ・顧客の要望に時間をかけて対応し、信頼関係を築ける |
責任感が強い | ・厳しい納期でもクオリティを妥協せず、締切にコミットして顧客の信頼を勝ち取れる |
協調性がある | ・チームワークを重視し、異なる意見でも調整しながら解決策を導き出せる |
コミュニケーションスキルが高い | ・異なるステークホルダーによってプレゼンのアプローチを変え理解を得られる |
対人能力が高い | ・新しいチームメンバーともすぐに信頼関係を築くことができ、効果的なチーム運営に貢献できる |
リーダーシップがある | ・チームの目標を明確にし、全員が協力し合える環境を整えてプロジェクトをリードできる |
決断力がある | ・リスクとベネフィットを照らし合わせ、難しい局面でも即座に決断を下せる |
自己管理能力がある | ・複数のタスクがあっても優先順位をつけ、時間管理をしながら納期を守れる |
継続力がある | ・長期のプロジェクトであっても、短期的な目標管理をしながら最後までやり遂げられる |
集中力が高い | ・長時間にわたる細かな作業でも集中し、ミスを最小限に抑えられる |
問題解決能力がある | ・複雑な課題に対して根本原因を特定し、効果的な解決策を見つけることができる |
創造力がある | ・マーケティングキャンペーンで新たなアイデアを提案し、ブランドの認知度を向上させられる |
好奇心旺盛である | ・新しいツールを試し、業務プロセスを最適化して効率を上げられる |
向上心がある | ・新しい知識や方法論を自主的に学び業務に活かしながら、定期的に自身の改善点を見つけて実践できる |
几帳面である | ・品質管理において細部まで注意を払い、高い基準を維持して製品の信頼性を確保できる |
規律性がある | ・職場のコンプライアンス遵守を徹底させ、企業の信頼性を向上させられる |
論理的である | ・曖昧な論拠よりもデータを重視し、分析に基づいた根拠のある提案を行える |
「長所」の回答例5選【例文あり】
ここでは、面接で長所について聞かれた際の具体的な回答例を5つご紹介します。
上記のように、話すボリュームはおおよそ1分以内が理想です。必ず具体的なエピソードを交えながら、自分の経験と関連づけて答えられるようにしましょう。
①協調性がある
結論 | 私の大きな長所は、協調性にあると思っています。 |
理由 | プロジェクトマネージャーとして常時7~8名程のエンジニアをリードしていますが、エンジニアの要望や志向性はそれぞれ異なりコントロールは容易ではありません。 システム作業中でもメンバー間の情報連携が疎かになって問題が発生しないように、日々情報収集と状況の記録、スムーズな意思疎通に努めています。関係者の要望についてもバランスを取りながら最大限反映されるように努めており、自身の調整能力がスムーズなプロジェクト進行に活かされていると思っております。 |
活かし方 | 御社においてはより予算規模の大きいプロジェクトが多いと伺っておりますので、自身のスキルでより多くのメンバーでも効果的に業務を遂行できると考えています。 |
②柔軟性がある
結論 | 私の長所は、状況に応じて適切に対応できる柔軟性です。 |
理由 | 顧客対応ではロールプレイ通りの回答でなく、クライアントの要望に耳を傾けつつ、本当のニーズは何なのかを把握してから行動するように努めています。 顧客からキャンペーン資材の納期を早めたいという要求があった際には、すぐに社内調整に入る前に再度クライアントとのミーティングを設定しました。結果、早急な納品よりも仕様の変更のほうが顧客の要望を満たすことを説得することができ、それにより2ヵ月の納期延期と500万円の予算アップの獲得に成功しました。 |
活かし方 | 御社ではより大きな予算規模を持つ顧客が多いとのことで、自身の柔軟性を活かして業績向上に貢献したいと思っています。 |
③リーダーシップがある
結論 | 私の長所は、チーム全体をまとめ、目標達成に向けて皆をリードできるリーダーシップ力です。 |
理由 | 昨年度、社内の業務改善プロジェクトのリーダーに任命され、8名のチームメンバーを率いて半年に渡るプロジェクトを成功に導きました。 メンバーは異なる部署のスタッフから構成されていて、業務の忙しさや温度感、志向性も違い進行が難しかったため、まず全員と1on1ミーティングを行い目標達成に対する意識の共有からスタートしました。また、各メンバーの強みと課題を明確にして役割を割り当て、定期ミーティングで意見交換や進捗確認を怠らないようにし、チーム全体のモチベーションを維持しました。結果、予定より2週間早いプロジェクトの完了と、業務効率改善によるコスト削減にも成功しました。 |
活かし方 | 御社のような成長著しい企業では、迅速で効果的な判断を下せるリーダーの存在が不可欠と考えており、自身のスキルが御社の成長に貢献できると考えています。 |
④問題解決能力がある
結論 | 私の長所は、冷静に原因を特定し、迅速に解決に向けて行動できる高い問題解決能力です。 |
理由 | 昨年、出荷前製品の品質試験に大きなトラブルが発生したのですが、復旧が遅れるとビジネスに重大な影響を及ぼすため早急な対策が必要でした。 日頃からデータやレポートを読み込みリスク管理ができていたため、早期に原因を特定することができ、複数の解決策を提案することができました。その後はチームと協力して最適な解決策を決定し、迅速に実行することで予定よりも早い復旧にいたり、高い評価につながりました。 |
活かし方 | 御社においては、製品パイプラインの増強もあり品質問題の予防の重要性が増していることと思います。自身の問題解決能力を最大限に活かし、御社に貢献したいと考えております。 |
⑤責任感が強い
結論 | 私の長所は、与えられたタスクに対し最後までやり遂げ、結果を残せる高いコミット力です。 |
理由 | 新製品のローンチキャンペーンを担当した際、プロジェクトの途中でローンチ時期が1か月早まるという予想外の事態が発生しました。 この状況に対応するため、多くの残業をしながら自ら率先して関係部署と協議し、優先順位についても上長に進言してクオリティーと納期のバランスを調整しました。結果、予定どおりのキャンペーンスタートが叶い、製品の売上目標も達成することができました。 |
活かし方 | この経験を通じて、コミット力の強さがプロジェクトの成功に直結することを実感しました。御社においても、自身のスキルを活かしてタスクを確実に遂行し、チーム全体の成果に貢献できると考えています。 |
面接で短所を聞かれた時の答え方
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では、「短所」を聞かれた場合はどのように答えるのが面接では高評価なのでしょうか?
「面接なのに、自分の短所を話してしまっても良いのだろうか...」と戸惑う人もいるかもしれませんが、短所の質問は自己分析力の高さと改善意欲を示す絶好の機会です。
ここで、短所を効果的に伝える方法について4つのポイントに沿ってご紹介します。
長所につなげられる短所を選ぶ:「せっかち」→「スピーディーに仕事ができる」、「心配性である」→「慎重である」など、ポジティブに変換できる短所を選ぶと印象が良い。
結論から話す:まずは率直に短所を述べる。具体的に述べることで、面接官に誠実さをアピールできる。
自己改善の姿勢を示す:短所を克服しようとする意欲やこれまでに取り組んだ経験、現在行っている改善策などを具体的に説明する。これにより、自己成長に対する積極的な姿勢をアピールできる。
職場での成長の見通しを伝える:その短所を克服することで新しい職場でどのように活かせるかなど、応募先ポジションに関連した成長への意欲を示す。 新しい企業のサポート体制や文化が、短所の克服にどう役立つかを伝えても良い。
短所の伝え方例:
結論(短所) | 私は慎重過ぎる傾向があり、特には迅速な決断が求められる場面でも躊躇することがあります。 |
改善の姿勢 | 一方で、慎重な性格は細部まで注意を向けて品質を落とさない姿勢につながっており、顧客や同僚から高い評価を得ることがあります。 |
職場での展望 | 御社はチームワークを大切にする社風と伺っておりますので、一人で抱え込まずメンバーの意見を聞きながら、柔軟に対応できるよう努めていきたいと思っています。 |
このように、短所の質問では具体的な例を挙げながら自己分析の深さと前向きな姿勢を示すことが大切です。加えて、新しい職場での展望を付け加えることで、面接官に積極的な印象を与えることができるでしょう。
面接で使える「短所一覧」「言い換え例」「改善例」
ではここで、面接でポジティブに変換しやすい「短所の一覧」と「言い換え例」、それらを克服するための「改善例」をご紹介しましょう。
短所 | 言い換え例 | 改善例 |
マイペース | 集中力がある | ・同僚や上司から定期的にフィードバックをもらうことで、客観的な視点を得るようにする。 |
優柔不断 | 柔軟性がある | ・過度に情報に頼り過ぎず、これまでのプロセスの妥当性を検討し、自身の経験からも判断できるようにする。 |
せっかち | 行動力がある | ・作業前にチェックリストを作成し、それらを確認してから次のステップに移行するようにする。 |
心配性 | 慎重 | ・タスクに優先順位をつけ、重要な案件から決定できるようにする。 |
負けず嫌い | 向上心がある | ・なぜその目標を達成したいのか理由を考えること、それによって周囲との摩擦が生じないかを考えるようにする。 |
頑固 | 自分の意見がある | ・同僚の意見に耳を傾け、それぞれの意見の良い点・悪い点を考慮してから結論を出すようにする。 |
飽きっぽい | 好奇心旺盛 | ・最終的な納期や大きな目標だけでなく、細かな目標設定をすることで飽きずにやり遂げられるようにする。 |
完璧主義 | 品質にこだわれる | ・小さな目標を立て達成感を得るようにする。失敗を受け入れ、その経験から学ぶことを意識する。 |
八方美人 | 協調性がある | ・自分の信念や価値観を明確にして、他者の意見に迎合しすぎなようにする。 |
「短所」の回答例3選【例文あり】
では、面接で短所について聞かれた際の具体的な回答例を3つご紹介しましょう。率直に短所を述べてあなたの人柄を具体的な話で伝えつつ、最後はポジティブな内容で締めくくりましょう。
せっかち
「私の短所は、物事を急いで進める傾向があることです。過去に、プロジェクトの進行中に焦りからコミュニケーションが不足し、チームの意見を十分に反映できなかったことがあります。この経験を通じて、チームワークの大切さと情報共有の重要性を学びました。今は反省を活かし、定期ミーティングや日々のチャットで常に報連相を心掛け、より慎重に取り組む努力をしています。御社においても、協調を大切にしながら、効率的に仕事を進めたいと考えています。」
頑固である
「私は、自分の考えに固執しすぎることがあると認識しています。以前、プロジェクトの方針を巡って意見が対立した際、柔軟に対応できず、チームの士気を下げてしまったことがありました。この反省を踏まえ、今では他のメンバーの意見にも耳を傾け、それぞれの意見のメリット・デメリットを話し合いながら皆で解決策を考えるよう努めています。御社でも、柔軟性を持って多様な考えを尊重し、チームの一員として貢献していきたいと思います。」
心配性である
「私の短所は、物事を過度に心配しすぎることです。新しいプロジェクトを始める際、必要以上にリスクを考慮してしまい、行動が遅れることがありました。しかし、それを改善するためにリスクを適切に評価し、段階的に対処する方法を学びました。現在は、タスク前に複数のシナリオを考えるようにして、どの展開になっても迅速に行動を起こせるよう準備しています。御社でもこのスキルを活かし、効果的な判断を下していきたいと思います。」
長所・短所を答える際のNG例
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ここまで長所・短所の質問への答え方について見てきましたが、NGとなる伝え方もあります。以下で、代表的なNG例を見てみましょう。
仕事に関連のない長所・短所を挙げる
具体的なエピソードがない
プライベートでのエピソードに終始する
業務に支障が出そうな短所を挙げる
長所や短所がないと主張する
仕事に関連のない長所・短所を挙げる
面接官が長所・短所を質問する目的は、あなたの人柄を知ることで新しい職場で活躍できるかをイメージすることです。業務と関係のない長所・短所を話しても、面接官の質問の意図に沿いません。
NG例(短所)「私の欠点は家事が苦手なところです。せめて簡単な料理くらいはできるようになりたいと思い、現在YouTubeを観て特訓しています。」
コンサルタントからのコメント:
「アピールする長所が応募ポジションに関連していない場合、高い評価にはつながりません。企業が求める人物像を理解し、それにマッチした回答を用意しましょう。」(鈴木 優希:IT チーム シニアコンサルタント)
「長所と短所の回答が正解だったと言えるのは、求人票を熟読し、自分のどのスキルがその職務に適しているかを強調したときです。過去には、きちんと求人票に目を通さず仕事と無関係な長所を話して失敗した候補者もいました。STARメソッドを使って具体的な回答をすると、ストーリーに深みが増すので参考にしてみても良いでしょう。」(バーバラ・ミルチビ:ITチーム プリンシパルコンサルタント)
具体的なエピソードがない
抽象的な表現や、具体的なエピソードがない回答の場合、説得力に欠けてしまうので注意が必要です。
NG例(長所)「私の長所はコミュニケーション能力があることです。お客様だけでなく、同僚に対しても連絡をこまめに取り信頼関係を築きながら業務を遂行しています。」
コンサルタントからのコメント:
「コミュニケーション能力は大切なビジネススキルですが、上記の回答だけでは具体的なエピソードに欠けます。コミュニケーションスキルについて話したいのであれば、特別なエピソードがないとビジネスを遂行するうえでの常識として捉えられてしまいます。」(鈴木 優希:ITチーム シニアコンサルタント)
「聞き上手やコミュニケーション上手は誰でも主張できる長所です。その長所を、仕事上の実例で裏付けられるかどうかが重要です。」(バーバラ・ミルチビ:ITチーム プリンシパルコンサルタント)
プライベートでのエピソードに終始する
面接は、職場での振る舞いや能力を測るための情報を提供する場です。プライベートな話だけでは、仕事上で発揮されるあなたの個性が見えません。
NG例(長所)「私の長所は明るいところです。大学時代の友人とは今でも頻繁に会っており、皆で楽しく盛り上がっているときが本当の自分のように感じます。」
業務に支障が出そうな短所を挙げる
長所や短所を話す際は、応募先企業の価値観や求める人物像から外れた答えを用意すべきではありません。特に短所の質問では、営業職に応募しているのに「人とコミュニケーションを取るのが苦手」と答えてしまっては、面接官に適性を疑われてしまいます。
NG例(短所)「私の短所は怒りっぽいところです。自分には確固たる信念があり、自分と違う価値観を主張されると怒りを抑えることができません。」
NG例(短所)「私の短所はよく遅刻するところです。大学時代の友人にも遅刻魔と言われていて、直したいと思っているのですがなかなか改善方法が見つかりません。」
長所や短所はないと主張する
「特に長所や短所はありません。」といった発言は、自己分析が足りていないことの証明となり、面接官に良い印象を与えません。長所も短所も、あなたの成長の意欲を示せる恰好の質問となりますので、ぜひアピールにつながる回答を用意しておきましょう。
コンサルタントからのコメント:
「本音で話をしないことが一番問題です。正直でない人と一緒に働きたいと思う企業はありませんので、必ず答えを用意しておきましょう。短所の質問では、『完璧主義すぎる』など面接官が何度も聞いたことのあるような決まり文句を言う人もいます。あなたの能力を疑われるような短所でない限り、あなたが本当に思う短所とそれに向けた改善の意思を伝えるべきです。」(バーバラ・ミルチビ:ITチーム プリンシパルコンサルタント)
コンサルタントが教える長所・短所を上手に伝えるコツ
Q. 面接官が魅力的に感じる長所・短所の答え方のコツは?
鈴木 優希(ITチーム シニアコンサルタント) :
「長所・短所の質問は自己PRの一環です。上手な回答ほど面接官に対してのアピールとなり、準備不足は逆効果を招くことがあります。
上手な回答には以下の3つのポイントがあると考えられます:
1. 関連性:ご自身がアピールする長所が、応募先ポジションや企業に関連しているかどうかがポイント。短所は仕事に不可欠なものは避け、成長意識を示すこと。
2. 自己認識:長所・短所ともにその影響を正直に評価できているか、「自己分析の深さ」がポイント。その長所がパフォーマンスにどのように貢献しているのかを説明できること。
3. 前向きな姿勢:短所を認めつつ、前向きで成長に焦点を当てていること、弱みをどのように強みへ変えていくかについて話せることがポイント。」
Q. 「あなたの長所と短所を教えてください」に対する正しい回答は?
鈴木 優希(ITチーム シニアコンサルタント) :
「プロジェクトマネージャーを例に取ると、
(①「長所」)私は細部にまで気を配る性格で、それは複雑なプロジェクトを管理する上で大きな強みとなっています。
(②「短所」)しかし、細部にこだわりすぎるあまり、決断が遅れてしまうこともあると気づきました。(自己認識)
(③成長意欲)この点を改善するために、タスクに優先順位をつけ、各段階に時間制限を設けるようにしています。これにより、正確さを維持しながら効率性を犠牲にせずに済むようになりました。
(④新しい職場でのアピール)御社においても、自身のスキルで複数のプロジェクトを効率的に管理して、プロジェクトを成功させたいと考えています。」
Q. 求職者がよくする長所・短所の答えに関する失敗は?
鈴木 優希(ITチーム シニアコンサルタント) :
「謙虚でいることは大切ですが、短所がたくさん思いつく一方で長所がわからないといった声をよく聞きます。ですが、面接では自信をもって能力・スキルをアピールすることが大切です。これまでの業務の棚卸しをして、ご自身の強みについてしっかりと分析を行い、ご自身の貢献・経験を具体的に説明できるようにしておきましょう。」
バーバラ・ミルチビ(ITチーム プリンシパルコンサルタント) :
「面接で長所を話す際は、リクルーターと密に連携し何を期待されているのかを話し合っておくことが大切です。日本人は自分を過小評価しがちですが、グローバル企業や海外にいる面接官との面接では、『自信を持って答える』ことがとても重要です。"I guess... "で文章を始めるのは自信のなさを示すので避けましょう。自分の長所と短所をすべてリストアップして十分準備をしておき、率直で、自信に満ち、自分らしい答えができるように練習しておきましょう。」
長所・短所を見つけるための自己分析
面接での長所・短所の質問に自信を持って答えるためのポイントについて解説しましたが、実際に自分の長所・短所は何なのかまだ答えがでない方も多いと思います。
長所・短所を見つけるためには、まず「自己分析」が不可欠です。これまでの実績や成功体験、失敗したことなどを一度棚卸ししてみると、自分でも気づきにくかった長所・短所が見えてくるかもしれません。整理した内容はそのままエピソードとして話すこともできますので、おすすめの方法です。
また、エイペックスのようなキャリアのプロに頼るのも効果的な方法です。 エイペックスでは、今後のキャリアや転職に向けて、自己分析の方法やキャリアシート作成、面接準備のサポートを提供しています。自分の強みを最大限に活かせる環境を見つけたい方は、ぜひ私たちにご相談ください。まずは無料相談からスタートしていますので、お気軽にご相談ください。