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ビジネスとテクノロジーのコンセプトであるホログラム画面を見ている日本人女性

【システムエンジニア(SE)とは】仕事内容や年収、転職先、求められるスキルなどをわかりやすく解説!

システムエンジニア(SE)はよく耳にする職業ですが、実際にはどんな仕事を行うのでしょうか?

システムエンジニアを目指している人は、年収や今後の職業としての需要、就職先にはどんなところがあるのか、どんなスキルや資格を持っていると有利なのか、キャリアパスの選択肢など気になることが多いと思います。

IT業界専門チームを持つエイペックスが、システムエンジニアについて下記の記事でわかりやすく解説しますので、システムエンジニアについてしっかりと学び今後のキャリア形成に役立てましょう!

目次

  • システムエンジニア(SE)とは?

  • システムエンジニアの仕事内容

  • システムエンジニア・ソフトウェアエンジニア・プログラマーの違い

  • システムエンジニアの一日のスケジュール

  • システムエンジニアの年収

  • システムエンジニアに求められるスキル4選

  • システムエンジニアに資格は必要?

  • システムエンジニアの就職先3選

  • システムエンジニアの5つのキャリアパス

  • システムエンジニアの採用トレンド

  • システムエンジニアに関するよくある質問(Q&A)

  • 転職成功のためにIT業界専門チームのあるエージェントへ登録しよう

システムエンジニア(SE)とは?

暗室にある最新のサーバーラック

IT業界において、もっともニーズが高いのはITエンジニアです。

そのエンジニアのなかでも、システムエンジニア(SE)は簡単にいうと、ITシステム構築の要となる存在です。さらにわかりやすくいえば、顧客である企業へ必要なシステムについてヒアリングを行い、それをもとに最適なシステムを設計・開発するIT分野の技術職のことです。システムの設計や企業のインフラ環境の保守に特化した技術者であり、近年特に目指す方も増えています。

昨今のIT化やDX化の流れにともない、外資・内資問わず多くの企業がITシステムの改善を行っており、転職市場でもシステムエンジニアは非常に需要の高い職業となっています。

システムエンジニアの仕事内容

具体的にシステムエンジニアとは、どんな仕事を行う職種なのでしょうか。所属する企業や担当プロジェクトによってその仕事内容はさまざまですが、一般的にはプロジェクトチームに所属し、以下のような流れで業務を行います。

1. クライアントへのヒアリング

前述のとおり、システムエンジニアの仕事は簡単にいうと、顧客の要求に対応するシステムを開発・導入することです。
まずは顧客が求めるシステムは何なのか、以下の観点でヒアリングをしながら開発・導入に必要なシステム・機能性を洗い出します。

  • システム導入・改善の目的

  • クライアントがシステムに望むもの

  • 現在の業務の流れ

  • 業務上の課題

ヒアリングの段階ではシステム化をする・しないの結論は出さずに、クライアントの要求や現在の業務課題の聞き取りに注力します。

2. 要求分析/要件定義

クライアントや現場、ユーザーからのヒアリングがひと段落した後は、聞き取りした内容を以下の作業を行いながら整理し分析します。

  • ヒアリングで重複する内容がある場合には整理

  • 課題として取り上げていたものは解決

  • 自社のソリューションで、クライアントの要求を解決できるか否かを確認

ヒアリングの内容が整理できた後はクライアントと改めて打ち合わせを行い、システム導入に求めるものを再確認します。
その後導入要件についてクライアントの合意を取り、システム導入の目的・概要・機能などについて決定した内容を要件定義書に落とし込みます。

3. 基本設計/詳細設計

要件定義書には細かい仕様が記載されていないため、要件定義のままではシステム開発ができません。

システムエンジニアは要件定義で決まった内容を噛み砕き、システム開発ができるよう基本設計書と詳細設計書を作成します。基本設計書にはシステム全体の基本的な構成を、詳細設計書には基本設計をもとにした具体的な実装内容を記載します。

システムのレイアウト等を書き起こす基本設計では、既存システムの有無が設計に影響を及ぼします。既存システムがある場合には、既存のレイアウトに寄せるとユーザーの混乱が少なくなるため、おすすめです。

要件定義や基本設計はマクロの視点から話を進めているため、詳細設計のような細かな作業に入ると矛盾に気づくケースがあります。詳細設計の段階で判明した些細な問題が、のちに仕様起因の不具合につながるケースは決して珍しいことではないため、作成中に少しでも違和感を覚えた場合には、次回の課題に挙げます。

4. 開発/テスト

システムの導入・開発に必要な設計書が出来上がれば、プログラミングで実際のシステムの開発がスタートします。

プログラミング自体は専門職のプログラマーが担当するケースが多くなりますが、システムエンジニアが担当するケースもゼロではありません。使用するプログラミング言語は設計書に記載された言語、もしくは要件定義で決まった言語を使用します。

プログラムが出来上がると、単体テスト・結合テスト・総合テストを順に実施して、品質を高め動作に問題がないことを確認していきます。
各テストでは観点が分かれており、必要な観点に沿ったテストが実施できるかどうかがシステムの品質を左右するといえるでしょう。各テストは、プログラミングと同様にシステムエンジニアが担当するケースもあります。

5. 導入/運用・保守

開発したシステムを顧客に納品し、本番環境でユーザーが使用します。納品後も、必要に応じてシステムが正常に動作するための管理を行ったり、トラブルが発生した際には対応を行ったりします。

システムエンジニアの仕事内容についてさらに詳しくITコンサルタントに聞く

システムエンジニア・ソフトウェアエンジニア・プログラマーの違い

システムエンジニアとソフトウェアエンジニアプログラマーはプロジェクトによって仕事内容が重複していることもあり、違いが曖昧なことがあります。ただ、大まかには以下のように担当領域を分けることができます。

職種

商材

業務範囲

システムエンジニア

ソフトウェアやハードウェアなど幅広く扱う

上流工程から下流工程

ソフトウェアエンジニア

ソフトウェア

上流工程から下流工程

プログラマー

ソフトウェア

下流工程がメイン

ソフトウェアエンジニアが専門としているのは文字どおりソフトウェアであり、パソコンやスマートフォン内のアプリなどソフト開発に従事する職業です。

一方で、システムエンジニアが扱う商材はより広く、ソフトウェアはもちろんハードウェアも対象であり、サーバの入替作業などもシステムエンジニアが担当したりします。

システムエンジニアとプログラマーについては、システム開発のどの工程に携わるかに違いがあります。

プログラマーが携わる工程は、主にプログラミングと単体テストの工程です。システムエンジニアが作成した設計書の内容に沿ってプログラムを作成し、作り上げたプログラムのテストまでを行います。

一方でシステムエンジニアは、システム開発の上流工程である要件定義からシステム開発に携わり、システム開発の内容をクライアントと共に決めていくため、クライアントとプログラマーの間にいる存在といえます。

システムエンジニアの一日のスケジュール

机の上にある付箋の貼ってあるカレンダーと時計

では、システムエンジニアはどんなスケジュールで一日の作業に取り組んでいるのでしょうか?プロジェクトの工程によって違うためスケジュールに一貫性はありませんが、今回は設計工程でのよくある一日をご紹介します。ぜひ、参考にされてみてください。

9:00:始業。メールチェックと返信・必要に応じた対応を行います。

9:30:設計書の作成・修正。最も集中できる時間帯のため、集中力が必要な作業はこの時間に行います。

11:00:このあとの社内orクライアントレビューの対象となる設計書を再確認します。

12:00:昼食。クライアント先に移動する場合は移動も兼ねます。

14:00:社内orクライアントによる設計書のレビュー会に参加します。

16:00:レビュー会で指摘のあった内容へ対応をします。

17:00:翌日にレビュー会がある場合には、関係者に設計書を送付します。本日のレビュー会での指摘を踏まえ、修正済みの設計書も送付します。

17:30:午前中に作成していた設計書作成の続きに取り掛かります。チーム内の進捗確認を兼ねた定例会があれば出席し、残業の必要有無を再確認します。

19:30:設計書の作成が終わり次第、明日のスケジュールを確認して退社。

また、各作業の間にメールチェックを入れつつ、必要に応じて対応をします。隙間時間があれば購読している技術ブログを読み、気になるキーワードがあれば出勤中や移動中に読みます。

システムエンジニアの働き方についてITコンサルタントに詳しく話を聞く

システムエンジニアの年収

システムエンジニアは、他のエンジニアよりも高い年収が見込める職種です。

そこでエンジニアとしての経験年数別に、システムエンジニアの平均年収をご紹介します。それぞれのランクで求められるスキルや期待できるキャリアなども記載してありますので、ぜひ参考にされてみてください。

1. 経験年数:0〜5年

  • 平均年収:500万円〜700万円

  • コメント:新卒や若手でも日本企業に比べ高めの報酬が期待できます。特に英語力やグローバルなプロジェクト経験が重視されます。

2. 経験年数:6〜10年

  • 平均年収:700万円〜900万円

  • コメント:プロジェクトマネジメントや専門分野でのスキルを持つ中堅SEがこのレンジに入ります。外資系では成果主義のため、実績に応じて早い昇給が見込まれることもあります。

3. 経験年数:11〜15年

  • 平均年収:900万円〜1,200万円

  • コメント:リードエンジニアシニアマネージャーなど、プロジェクト全体をリードするポジションが期待されます。高い技術力やマネジメントスキルが要求されるため、報酬も大きく上がります。

4. 経験年数:16〜20年

  • 平均年収:1,200万円〜1,500万円

  • コメント:技術責任者部門長クラスのポジションが多くなります。企業によってはこの層がグローバルの意思決定にも関わることがあり、年収がさらに高くなることもあります。

5. 経験年数:21年以上

  • 平均年収:1,500万円以上

  • コメント:CTO技術統括責任者クラスになると年収はさらに高額になり、2,000万円以上のケースも見られます。株式報酬やボーナスも含めて、総合的な報酬は大きく増加することが多くあります。

システムエンジニアの年収についてさらに詳しくITコンサルタントに聞く

システムエンジニアに求められるスキル4選

スキルアップの概念を表すSkillの言葉が貼ってある積み重ねられた木製のブロック

高い年収が見込めるシステムエンジニアですが、どんなスキルを持っていると応募先企業に採用されやすく、キャリアアップが見込めるのでしょうか。
以下に重要なスキルを挙げていますので、ご自身のキャリアを棚卸し該当するスキルをいくつ保有しているのか確認してみましょう。

1. コミュニケーションスキル

「エンジニアにコミュニケーションスキルは必要ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、システムエンジニアは顧客にヒアリングを行い、チームメンバーと協働しながら開発を進めるためコミュニケーションスキルは大きな評価ポイントとなります。

クライアントが必要とするシステムがどのようなものかを知るにはコミュニケーションが大変重要であり、現在の課題はもちろん、顧客が認知していない課題も引き出す力が必要です。クライアントが抱える本当の課題を見つけ出し、そこからシステム導入を実現できれば真の顧客課題の解決となり、自身の評価にもダイレクトにつながっていきます。


2. 記憶力

システムエンジニアはプロジェクト単位で仕事をするため、案件が度々変わることも珍しくありません。

たとえば、プロジェクトAに二ヶ月→プロジェクトBに半年→プロジェクトAに再度アサインされるなども日常茶飯事であり、記憶力が乏しいとプロジェクトAの独自仕様や環境を一から調べ直すことになります。仕様や環境への理解が曖昧なまま作業を始めると、思わぬところに落とし穴があったり、代わりにアサインされた担当者に引き継ぎができず、調査や確認に付き合って時間が取られることがあったりします。

このように、システムエンジニアには高い記憶力が求められますが、自信がない場合には、各現場の仕様・環境などを記録する習慣を身につけるようにしましょう。


3. プロジェクト管理スキル

システムエンジニアはプロジェクトの実作業と並行してチームの管理も行うため、プロジェクト管理スキルが必須です。
具体的には以下の幅広いスキルが求められますが、マネジメントスキルは現場で身につくことが多いため、転職ではいかに多くの経験があるかがポイントとなります。

  • スケジュール管理:プロジェクトの進捗を常に確認し、スケジュールに遅延が発生している場合には対策を講じる

  • 課題管理:プロジェクトで発生する課題を分析し、解決策を提示する

  • 見積もり算出:システム導入・開発にかかる期間やコストを予測し、算出する

  • 危機管理:プロジェクトの遅延につながる落とし穴を事前に察知し、対策を講じる

4. プログラミングスキル

システムエンジニアは要件定義や設計書作成が主な実作業となりますが、設計書に基づいてシステムのプログラムを作成するスキルも必要です。詳細設計書の作成やレビューに際しても、プログラムを作成する観点から矛盾や不足に気づけるため、より質の高い詳細設計書の作成につながります。

複数のプログラミング言語を扱えるとさまざまな現場に対応できるため、できるだけ多くの言語を扱えることが理想ですが、調べながら取り扱えるレベルであれば現場では問題ありません。

システムエンジニアに資格は必要?

システムエンジニアは弁護士のような独占業務ではないため働くための資格は必要とせず、資格を全く持っていないシステムエンジニアの方もいます。ただ、以下のように資格取得が有利に働くことが多くあり、可能であれば早期にチャレンジされることをおすすめします。

  • 転職活動:資格があることで一定レベルの知識・スキルをアピールできる

  • 案件のアサイン:特定の資格を持つ人材を募集している案件にアサインができる

  • 昇進昇格:特定の資格を昇進昇格の条件にしている企業がある

  • 祝い金や資格手当:資格を取得すると祝い金や資格手当を支給する企業がある

具体的には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催するIT系の国家試験を受験することをおすすめします。難易度(レベル1~4)・専門分野別に13個の試験があり、難易度の低いものから段階を踏んで取得を目指すと良いでしょう。

特にレベル4は高度情報処理技術者試験と呼ばれ、試験の難易度はもちろん高い専門性が要求される試験になります。

  • 基本情報技術者試験(レベル2):ITエンジニアの登竜門といわれ、近年は受験者のおよそ40%~50%が合格しており、まずは取得したい資格のひとつ。

  • 応用技術情報者試験(レベル3):技術から管理・経営までITエンジニアとしての幅広い知識と応用力が証明でき、システム開発、IT基盤構築などで高いパフォーマンスの発揮が期待される資格。合格率はおおよそ20%強と比較的難易度が高く、レベルの高いITエンジニアとしての証明になる。

  • システムアーキテクト試験(レベル4):システム開発の上流工程を主導する立場で、豊富な業務知識に基づいて的確な分析を行い、業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計し完成に導くための試験。合格率はおよそ15%前後と難易度が高く、上級エンジニアを目指す方向けの試験。

  • プロジェクトマネージャ試験(レベル4):プロジェクトを取り巻く環境変化やステークホルダーの多様な要求に柔軟に対応しながら、プロジェクトを成功に導くマネージャーを目指す方に適した試験。合格率はおよそ15%弱と難易度が高く、システムエンジニアなど確立したIT専門分野を持ち、今後プロジェクトマネージャーなどへのキャリアアップを見据えた方に適した試験。

システムエンジニアの就職先3選

では、システムエンジニアとしてキャリアを構築して行く場合、どんな企業で活躍できるチャンスがあるのでしょうか?以下の例を見てみましょう。

1. Sler

SIer(エスアイヤー)は、クライアントからシステム開発を受託し、システムの設計から運用までを一手に担う形でビジネスを行っている企業です。システムの設計から運用まで一気通貫で担うため、多くのシステムエンジニアが必要となります。SIerには一次請け企業や二次請け企業などさまざまな種類がありますが、基本的にSIerであればシステムエンジニアを募集しています。

また、大別するとSlerには親会社のない独立系Sler、主に大手企業である親会社向けにシステムを開発するユーザー系Sler、富士通や日立製作所など電子機器メーカーのソフトウェア開発部門などからスピンオフして誕生したメーカー系Sler、事業戦略の提案などコンサルティングに強みを持つコンサル系Sler、アクセンチュア、IBM、オラクルなどに代表される外資系Slerがあります。

SIerを目指す場合には上記の違いに留意しつつ、下記1. 、2.の違いについても考慮し、応募先企業を選択しましょう。

  1. 得意分野は何の企業なのか?ー同じSIerといっても人事系や会計系など得意分野があるため、自身の志向や方向性に合わせて企業を選ぶこと。

  2. 一次請け企業か二次請け以降の企業か? ー一次請け企業は要件定義や設計、プロジェクト管理が主な仕事となり、開発やテストにはあまり携わりません。反対に、二次請け企業は設計や開発、テストなどがメインで下流工程のスキルを伸ばせるため、自身が強みとしたいスキルを見極めて企業を選ぶこと。

2. 事業会社(社内SE)

システムエンジニアはIT企業でなくとも、自社製品やサービスを持つ一般の事業会社に就職することも可能です。

自社用のシステム開発や運用・保守、ITシステムを通じた業務プロセス改革、DX推進など、システムエンジニアが活躍する場は多くあり、そのような職種を社内SEと呼んでいます。

所属は大手企業であれば、社内のITを管理するIT部門や情報システム部門になることが多く、中小企業であれば部門で分けられず社内IT担当者というポジションになることがあります。

社内SEの主な業務:

  • ITプロジェクトへの参画(経営戦略に伴うITシステム戦略の検討・開発計画の立案等)

  • 社内システムの構築・運用

  • システム開発業者のベンダーマネジメント

  • IT機器の管理

  • サーバやネットワークなどの社内インフラの管理

  • 社内のITに関するヘルプデスク

  • クラウドサービスなどの社外システムの利用に関する選定・管理

  • 社内のITルール作り・社員教育

  • セキュリティ情報の周知、セキュリティ対策 など

このように、事業会社の場合システムエンジニアの役割は固定しておらず、幅広い役割を担うことが多いため柔軟性が必要です。一つの領域のIT専門家としてのキャリアを目指したい場合には、社内SEは不向きでしょう。

また、SIerの場合は大企業を相手にすることも珍しくないため、比較をすると社内SEが扱うビジネスの規模は小規模になる傾向にあります。

一方で、昨今は各企業でDXが推進されており、システムエンジニアはそうした重要なプロジェクトをリードする機会が事業会社には多くあります。IT専門家として、またその企業のIT事情や業務プロセスに精通した社員として、両方の視点からDX化を推進できる貴重な人材として活躍できるでしょう。

3. コンサルティング企業

ITコンサルティングに強みを持つコンサルティングファームに就職することも選択肢となります。Big4と呼ばれるデロイトトーマツコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティングが代表的な大手外資系企業です。

顧客である企業の課題をITシステム改善の観点から解決することが多く、ITコンサルタントととともにシステム開発の上流工程から携わり、顧客の要望を叶えるシステムの開発・改修・導入を指揮します。

具体的な募集企業についてITコンサルタントから話を聞く

システムエンジニアの5つのキャリアパス

キャリアアップのコンセプトとして棒高跳びをしているビジネスマンとはしごを登っている女性を描いたイラスト

ここでは、システムエンジニアに就いたあとはどのようなキャリアが考えられるのか、主なキャリアパス5つをご紹介します。

1. マネジメントを極める~プロジェクトマネージャー

システムエンジニアは担当するプロジェクトを管理しますが、マネジメントを専門とするプロジェクトマネージャーを目指すキャリアパスがあります。

プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャーは、以下の業務を担当します。

  • プロジェクトの立ち上げ

  • 社内の人員配置やパートナー企業のアサインを含めたリソース管理と計画

  • プロジェクトの採算管理

  • 社内経営層やクライアントとの折衝 など

プロジェクトマネージャーになるためには、上流工程とプロジェクト管理の経験を多く積む必要があります。経験が少ない場合には、上記のプロジェクトマネージャの資格を取得していると、転職時に自身の能力のアピールとなるでしょう。

2. 自社開発エンジニアを目指す

システムエンジニアは顧客へのヒアリングからシステムの運用・保守までさまざまな工程に携わりますが、システム開発に特化したキャリアを目指すのも一つのキャリアです。

Slerではなく自社で開発するIT製品やサービスを持つIT企業に就職し、社内の開発チームで開発エンジニアとして活躍します。開発するIT製品はスマートフォンアプリやクラウドサービス、業務効率化のためのアプリケーションなどBtoB、BtoC、SaaSとさまざまです。

開発エンジニアを目指すにはプログラミングスキルは必須であり、転職時にはスキルを証明するためのポートフォリオは用意する必要があります。また、常に最新技術を追う姿勢や自身のプログラミングスキルを伸ばす習慣も、開発エンジニアを目指す場合には欠かせません。

システムエンジニアとしてクライアントの生の声を聞いた経験は、自社プロダクトの製品・機能開発に役立ちます。クライアントの欲しがる製品・機能を理解しているため、転職活動では自社プロダクトの品質向上につながる企画力をアピールすると良いでしょう。

3. ITコンサルタントを目指す

システムエンジニアはクライアントからのヒアリングを通じて、より良いシステムの導入を目指すのがミッションです。このシステム導入までの一連の業務は、ITコンサルタントの業務と重複することから、ITコンサルタントにキャリアチェンジをする方もいます。

ITコンサルタントは、システムエンジニアよりさらに前の段階からクライアントに関わり、顧客分析や課題の抽出、抽出した課題を解決するITソリューションの提案、ベンダー企業の選定なども行います。

そのためITコンサルタントを目指すには、クライアントやその業界を的確に分析できる能力やそのための情報収集能力、企画提案力、プロジェクトマネジメント能力など高いビジネススキルが要求されます。システムエンジニアとして、上流工程でどのような提案をしてどのような効果があったのか、実績を含めた総合的なビジネスセンスが問われます。

4. 専門性を極める~セキュリティエンジニアなど

システムエンジニアとしてプロジェクトを管理し、幅広い工程を担当する中で得意分野となる業務を持ち、専門性を極める形でキャリアチェンジをする方もいます。

例えば、セキュリティエンジニアテストエンジニアデータサイエンティストソリューションアーキテクトなどさまざまな選択肢が考えられます。幅広い工程を担当するシステムエンジニアだからこそ得意分野が見つかり、次のキャリアにつながることが多くあります。

5. セールスエンジニアを目指す

セールスエンジニアは豊富なIT知識と自社製品への理解をもとに、営業職をサポートするエンジニア職です。営業担当者のクライアントとの商談に同行して提案やデモを行ったり、クライアントからの技術的な問い合わせに対応したりして営業をフォローするのが役割です。

システムエンジニアはクライアントとのコミュニケーションが多く発生する職種のため、営業職的な側面もあることからセールスエンジニアにキャリアチェンジされる方も多くいます。基本的に顧客とのコミュニケーションや、クライアントの悩みを聞いて直接提案するのが好きな方に向いている職業です。

セールスエンジニアを目指すには、システム開発や自社製品・業界に対する豊富な知識、技術的なサポートが求められた際のトラブル解決能力といったエンジニア寄りのスキルのほかに、ITに詳しくないクライアントにわかりやすく説明できる能力や、提案や製品を気に入ってもらえるような高い営業スキルが必要になってきます。

また、企業によってはプリセールスエンジニアポストセールスエンジニアというふうに2つに区別しているところもあります。
契約前をプリセールスエンジニアが担当し、製品の提案や実演を、契約後をポストセールスエンジニアが担当し、導入支援やトラブルシューティングを担当します。
いずれにしてもクライアントと折衝する機会が多いため、高いコミュニケーション能力を兼ね備えている必要があります。

システムエンジニアの採用トレンド

エイペックスのIT業界専門のプリンシパルコンサルタントである幾島俊に、システムエンジニアの最近の採用トレンドについて教えてもらいました。

「近年のIT業界ではAIや機械学習、ビッグデータ解析などの先端技術を活用するプロジェクトが増加しており、これらの技術に精通したシステムエンジニアが非常に高く評価されています。IT企業だけでなく事業会社からも高年収の募集が続いており、エイペックスでも前職からかなりの年収アップで転職されるエンジニアの方を何人もご紹介しています。

働き方について心配される求職者の方も多くいらっしゃいますが、最近は多くのIT企業がリモートワークを導入しており、システムエンジニアについてもオフィスに常駐する必要がなくなりつつあります。場所にとらわれない働き方が多くの企業で可能であり、エンジニアにとっても柔軟なワークライフバランスが実現しやすい就業環境になってきていますので、心配な方はぜひコンサルタントにご相談いただければと思います。

フリーランスやリモートワークといった自由度の高い働き方も広がり、キャリアパスの選択肢も増えている一方で、さらに充実したキャリアを得るためには新技術への対応力や自己研鑽が重要でです。特にIT業界は市場の変化に合わせたスキルアップが必要となりますので、この点も自身のアピールポイントとなるようにしていきましょう。」

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システムエンジニアに関するよくある質問(Q&A)

赤い疑問符のサインを持つビジネスマンの手のクローズアップ

Q. システムエンジニアは激務ですか?

A. 常に激務ではありませんが、労働時間に波のある職種といえます。プロジェクトのスケジュールに余裕があるときは残業も少なく、定時で帰れることも珍しくありません。

一方で、何らかのトラブルが発生した場合やスケジュールに余裕がなくなると、残業が増え休日出勤が発生するケースもあります。実際に作業を請け負う二次請け・三次請けの企業はスケジュールを守らなければならない立場のため、残業時間が多くなりがちです。

ただし、社員の働き方に対する企業の取り組みや考え方に大きく左右されることもあります。各企業の実際の労働環境については、勤めている方や転職エージェントに確認することをおすすめします。

Q. システムエンジニアはどんな人が向いていますか?

A. システムエンジニアに向いている人には、①ITへの興味関心が高いこと、②学習意欲が高いこと、③主体性があること、などの特徴があります。

①、②に関しては、IT技術者にとって不可欠の要素です。目覚ましく変化するIT技術に興味があり、それを学び吸収することで多くの選択肢のなかからより顧客に良い提案ができなければなりません。

③の主体性については、より一歩踏み込んだ提案や開発に欠かせない素養です。クライアントの課題解決に対し最善の方法を常に考え、より良いシステムを開発するという意識でシステム開発に携われることが大切です。そうすると、細部まで目が届くようになり不具合の防止にもつながります。

Q. 未経験でもチャレンジできますか?

A. 全くのIT業界未経験の方が、いきなりシステムエンジニアとして採用されることはありません。ただし、昨今のIT人材不足は深刻で、多くの企業がハードルを下げて未経験者の採用を検討しています。

まずは、プログラマーやテスターなど、システム開発関連でも比較的転職がしやすい職種からキャリアをスタートさせてみましょう。そこから将来的にキャリアアップできるよう自己研鑽や資格取得を目指し、スキルをあげていくことが大切です。

Q. 採用面接ではどんな質問をされますか?

A. システムエンジニアの採用面接では、以下のように今までのキャリアや携わったプロジェクト、実際の業務、得意分野を中心に質問があります。

  • 自身の得意分野はどこですか?

  • 今後のキャリアを考えた上で磨きたい技術や領域はありますか?

  • 今まで経験したプロジェクトの中で印象に残っているものは何ですか?そのプロジェクトでの役割・ポジションと、印象に残っている理由を教えてください。

  • XXX(プログラミング言語名)ができるとのことですが、具体的にどのレベルまで可能ですか?

その他にも、志望動機や退職理由、企業選びの軸、キャリアプランなど採用面接で一般的に聞かれる質問に対してもしっかりとした準備が必要です。

Q. どんな就職先を選ぶのが一番良いですか?

A. 自身の目指すキャリア像に合った就職先を選ぶのが一番よいでしょう。たとえば、プロジェクトマネージャーを目指すのであれば、上流工程から携われる企業や自社開発の企業を目指すのがおすすめです。実際にシステム開発を多く手掛ける企業に入り、開発の経験を多く積むと、プロジェクトマネージャーになった際に大きな財産となります。

就職先を選ぶ際には、自身がどのようなキャリアを積みたいのかを明確にすると、企業選びの軸が決まります。

転職成功のためにIT業界専門チームのあるエージェントへ登録しよう

近年の急激なIT化、DXの推進によりどの企業も優秀なIT技術職を必要としており、なかでもシステムエンジニアの需要は今後も高水準で継続していくものと思われます。

就職先である企業は年収や待遇はもちろん、実際の仕事内容や職責、チームの状況、働き方などさまざまであり、求人情報だけでは自分に合った企業がどこなのかを判断するのは困難です。

今後のご自身のキャリアを充実したものにするためには、IT業界に精通した専門コンサルタントが在籍する転職エージェントに相談することが最も効率的で近道です。

ITチームがあるエイペックスには、IT業界に精通しているのはもちろん、外資系・日系グローバル企業を専門としたバイリンガルコンサルタントが複数在籍しています。IT業界の市場動向や各企業の情報についてはもちろん、日英での履歴書・職務経歴書の作成サポートや採用面接の日程調整、想定質問の洗い出し、面接官情報についての共有、内定時の給与交渉まで、一貫したプロのサポートが無料で受けられます。

日々忙しい業務をこなすITプロフェッショナルの方の転職成功には、効率的な転職活動のお手伝いができる専門コンサルタントのサポートが欠かせません。ご興味のある方は、下記のボタンからキャリア面談(オンライン)にお申込みください。

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