外資系とは何なのか医療機器メーカーは、現在需要が増加傾向にある業界の1つで、給与水準が高く景気に左右されにくい点から、転職希望者からは比較的高い人気を誇っています。その中でも、外資系の医療機器メーカーでは日系企業と比較して高収入が期待できたり、実力次第では若いうちから責任のある仕事を任せてもらえたりと様々なメリットがあります。こうした背景から、外資系の医療機器メーカーに転職を考える方は多いと思います。
そこで本記事では、外資系医療機器メーカーへの転職を希望する方に知っていただきたい、
医療機器業界の動向
外資系医療機器メーカーへの転職のメリットとデメリット
外資系医療機器メーカーの特徴や職種
などをご紹介していきます。
本記事を読むことで、外資系の医療機器メーカーへの転職に必要な知識を得ることができますので、ぜひご覧ください。そもそも外資系とは何なのかを知りたい方は別記事も併せてご覧ください。
医療機器メーカーの概要
医療機器メーカーは、心臓のペースメーカーや内視鏡などから、ガーゼや包帯などの消耗品まで、医療機器や製品の製造・販売を行っている企業のことを指します。外資系の医療機器メーカーでは、一般家庭向けと医療機関向けの機器を1つの会社で対応している企業もありますが、日系企業では、ある特定の分野に特化している企業が多く見られます。
医療機関向けの医療機器メーカーでは、医療機器の販売業者や病院、クリニックなどの医療現場で使用される機器や製品の開発・製造や販売を行っています。医療従事者への製品説明や導入後の保守対応に加えて、自社で販売していない分野の機器を海外から輸入して販売することもあります。
そのため、医療機器メーカーでは営業系の職種から研究開発、品質管理など、幅広い職種が求められています。医療機器メーカーには下記のような求人があります。
現在の医療機器業界の動向
医療機器業界は景気に左右されにくく、業界自体も成長傾向にあります。本章では、医療機器業界の動向を詳しくご紹介していきます。
景気の影響を受けにくい
医療機器業界は景気の影響を受けにくく、安定した成長産業です。日本を含めた先進諸国は高齢化の傾向にあり、基本的な医療ケアに欠かせない医療機器は必須アイテムであるため、景気に関わらず常に需要があります。
たとえ景気が悪化したとしても、健康や福祉に直結する医療機器の需要は変わらないことが推測され、また医療機器は日本国内のみで使用されていることは少ないため、新興国の経済発展などグローバルレベルでのポテンシャルが大きいこともあり、今後もあまり景気を気にしなくても良い業界です。
医療機器業界は成長傾向にある
医療機器業界の市場は日本でも海外でも拡大傾向にあります。日本では、高齢化の影響によって予防治療や福祉関連の医療機器や、医療の進歩に伴う高性能で革新的な製品の登場、政府による健康・医療戦略の実現に向けた規制緩和などを要因に、医療機器の需要がますます高まっています。日本は米国に次いで世界第二位の市場であり、日本市場に新たに参入する外資系医療機器メーカーは常に一定数あるため、市場は今後も堅調に推移することが想定されます。
国外に目を向けると、中国やインド、東南アジアをはじめとするアジア諸国、ブラジルなどの新興国では、人口増加と経済発展、医療インフラの拡充により医療機器の需要が急速に拡大しています。欧米を中心とした外資系のみならず、海外での市場拡大を目指す日系グローバル企業にとっても、輸入に依存するこのような新興国は重要な市場であり、今後の成長要因となっています。
出典:医療機器産業を取り巻く課題について(令和5年5月25日):経済産業省
テクノロジーとの相性が良い
医療機器業界はテクノロジーとの相性が良く、「医療×IT(ヘルステック)」のスタートアップ企業も近年ますます増加傾向にあり、既存の医療機器企業も続々と参入しています。スマートフォンを活用して診断・治療を支援する「プログラム医療機器」や、画像診断などを支援するAI(人工知能)分野の開発も活況で、人材の募集も多く今後成長が見込まれる分野の一つです。
出典:医療機器産業を取り巻く課題について(令和5年5月25日):経済産業省
医療機器メーカーの売上高世界ランキング
医療機器メーカーの売上高世界ランキング上位15位は下記の通りです。
| 社名 | 売上高 (B$) |
1位 | Medtronic | 30.1 |
2位 | Johnson & Johnson | 23.0 |
3位 | Abbott Laboratories | 22.6 |
4位 | Philips Healthcare | 21.9 |
5位 | Siemens Healthineers | 20.6 |
6位 | Becton Dickinson | 20.2 |
7位 | GE Healthcare | 18.0 |
8位 | Cardinal Health | 16.7 |
9位 | Roche Diagnostics | 14.7 |
10位 | Stryker | 14.4 |
11位 | Boston Scientific | 9.9 |
12位 | B Braun | 8.5 |
13位 | Baxter International | 8.1 |
14位 | Danaher | 7.4 |
15位 | 3M | 7.2 |
出典:経済産業省ウェブサイト
(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/medical_device/pdf/001_06_00.pdf, P11, 2020年)
2020年における売上高の上位は全て外資系企業であり、特に上位3位は欧米企業が占めています。
世界の売上高トップ3の会社概要
世界の売上高トップ15位をご紹介したところで、世界の売上高で上位3位を占めた会社の規模や主な製品などをご紹介していきます。
Medtronic
Medtronicは、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスからスタートした医療機器メーカーです。2020年の年間売上高は300億ドルで、90,000人を超える従業員が在籍しています。
日本では日本メドトロニック株式会社が事業を行っており、心臓ペースメーカーやステントなどの心疾患領域をはじめ、クラスI~IVの幅広い領域の医療機器の開発、製造、販売などを行っています。
社名 | Medtronic |
国 | アメリカ/アイルランド |
規模 | 90,000人以上の従業員 |
取り扱っている製品 |
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Johnson & Johnson
Johnson & Johnsonは、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューブランズウィックに本社がある医療機器メーカーで、2020年の年間売上高は230億ドルです。150,000人を超える従業員が在籍しており、手術全般で用いられる創閉鎖・創傷管理関連製品や眼科用医療機器などの開発、製造、販売を行っています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループでは、医療機器を含むヘルスケア関連の製品に加えて、コンシューマー向けの製品などを幅広く提供しています。
社名 | Johnson & Johnson |
国 | アメリカ |
規模 | 150,000人以上の従業員 |
取り扱っている製品 |
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Abbott Laboratories
Abbott Laboratoriesは、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに本社を置くヘルスケア企業で、医療機器をはじめ診断薬や栄養剤、医薬品など幅広いヘルスケア製品の開発、製造、販売を行っています。2020年の年間売上高は226億ドルで、115,000人以上の従業員が在籍しています。
最近では、パーキンソン病などの運動障害に対する脳深部刺激療法の遠隔診療に対応したアプリ「NeuroSphere™ Virtual Clinic」を初めて提供しました。その他にも、診療や栄養関連の製品も提供しています。
アボットジャパン合同会社は、東京・三田と汐留に本社があり、医療機器領域では心疾患領域に特に強みを持っており、CRM、ストラクチュラルハート、心不全などの領域で豊富な製品ポートフォリオを有しています。
社名 | Abbott Laboratories |
国 | アメリカ |
規模 | 115,000人以上の従業員 |
取り扱っている製品 |
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欧米の企業が売上高トップを占める理由
前述のとおり、世界市場における医療機器の売上は欧米の企業が売上高トップを占めていますが、その理由は大きく分けて3つあります。
いち早く国際展開を推進してきたから
事業の幅が広く、規模が大きいから
製品の現地化に対応してきたから
まず1つ目に、欧米企業が早くからグローバル展開を進めてきた点です。医療機器の需要は、使用者の数に応じて変動するため、国内に限定すると事業を一定の規模以上に拡大することは難しいのです。そのため、欧米の医療機器メーカーは各国に拠点を築いており、後発の医療機器メーカーはシェアの獲得が比較的困難な状況にあるのです。
2つ目に、欧米企業では幅広い領域で多様な医療機器を扱っている点が挙げられます。提供可能な製品やサービスが増えることで、経営が安定し、さらなる投資を行って成長に繋げていくことができるのです。
最後に、欧米のメーカーでは製品の現地化に積極的であるという点です。例えば新興国に対しては、現地の基準に合わせて機能を簡素化して価格を抑えて販売するなど、市場の拡大に注力してきた背景があります。現地国の課題解決に力を注ぎ対応する優れた国際展開は、欧米企業の優れた戦略実行力に基づいています。
日系と外資系医療機器メーカーの特徴とその違いは?
それでは、日系医療機器メーカーと外資系医療機器メーカーの特徴の違いについてご紹介します。
外資系では日本よりもグローバル化が進んでいる
外資系企業では、日本よりもグローバル化が進んでいます。先述したように、特に欧米企業では早くから海外展開を推進しており、日系大手も海外展開を進めているものの日本の医療機器メーカーは遅れをとっています。今後は、東南アジアなどの新興国に対する進出が成長に大きく影響してくるため、グローバル化を進めている日本企業が、将来的にシェアを拡大できる可能性も十分残っています。
反対に外資系企業においては、日本法人はあくまで海外展開の一つという位置づけですので、グローバルと協働し歩調を合わせていくことが重要になります。
外資系では幅広い医療機器を扱っている
日本企業は特定の分野に特化した開発を進めている傾向にあり、携わる製品分野が決まっていることが多いのが特徴です。日系企業は総じて診断系(超音波画像診断装置、MRI、CT、内視鏡など)の医療機器分野では一定の競争力を保っており、この分野に強みや興味を持つ場合にはマッチする転職先かもしれません。大手企業の場合は海外での市場拡大を狙っているため、国産製品を海外に広めることにやりがいを感じる方にとっても良い選択肢でしょう。
一方で、大手と言われる外資系企業は治療系の製品を中心に幅広い領域の医療機器を扱っています。医療機器以外の領域にビジネスを拡大している企業もあり、豊富なサービスや製品によって安定した経営のもと、規模を拡大しています。M&Aも活発であるため、新製品を開発したベンチャー企業を大手が買収し販路を拡大していくというエコシステムが定着しており、豊富なパイプラインの要因にもなっています。
外資系医療機器メーカーの職種と仕事内容
外資系医療機器メーカーには営業職から研究開発職、品質管理など複数の職種が存在します。ここでは、職種ごとの仕事内容をご紹介します。
営業職
営業職は、病院や医療施設を訪問して、医療従事者に自社製品を販売するのが仕事です。問題解決のための提案から製品の販売、操作方法の説明に加えて、同僚とともに導入後のサポートやフォローまでを行ったり、手術に立ち合うこともあります。製品についての詳しい知識が必要となるため、理系のバックグラウンドを活かすことができますが、文系出身者も多く活躍しています。
医療機器メーカーの営業職では、製薬企業のようにMR (メディカル・リプレゼンタティブ)認定資格は必要とされません。もし医薬品の情報提供を行う場合には自社が販売する医薬品の効果や副作用を正しく把握し、病院や薬局などに対して提案を行うため、MR認定資格の取得が必要になります。
カスタマーサポート/カスタマーサービス職
カスタマーサポートやカスタマーサービス職は、顧客からの問い合わせについて対応する職種です。使用中の製品についての問い合わせやトラブル相談、新規製品についての質問など、企業に寄せられる様々な問い合わせについて現場担当である営業につないだり、企業や内容によってはその場で解決を図ることが業務になります。技術的な相談を受け付けて解決することを求める企業の場合は、製品についてのテクニカルな知識が必要となります。
サービスエンジニア
サービスエンジニアは、CTやMRIなど自社の医療機器や製品を導入している病院やクリニックに対して、機器の設置や定期的なメンテナンス・保守・修理などを行う医療機器企業にとって非常に重要な職種です。企業によっては、機器のアップグレードの相談やソリューションの提案を行う場合もありますが、基本的には技術的な問い合わせに対応するフィールドプレイヤーの役割を担い、病院との強い関係構築に大きな役割を果たします。
オフィスに出向かず病院に直行直帰するスタイルで働くことも多く、フレックスタイムや裁量労働制が適している職種です。
事務職
事務職は、いわゆるバックオフィスと言われる裏方の仕事で、営業事務や人事、総務、財務、経理、サプライチェーン、購買などを指します。それぞれの専門分野を活かして事業をサポートする役割になり、企業にとっても重要なポジションです。医療業界の法規やコンプライアンス、慣習に関する知識も必要になるため、職種によっては異業種からの転職を良しとする企業とそうでない企業があります。
研究開発職
研究開発職は、医療機器の研究や開発、設計を行うエンジニア職です。募集があるのは主に日系の企業になり、開発には医療機関など外部の共同研究パートナーがいることがあるため、強固な関係を築きながら交渉等も行っていきます。機械や設計・開発に関する専門知識や医療関係の幅広い知見をもとに、医療現場のニーズの把握や最新の医療技術について研究を行うことで、新しい医療機器を開発したり、既存の医療機器を改良したりします。エンジニアのバックグラウンドはもちろん、業界のレギュレーションやガイドラインについてもしっかりと理解していることが重要です。
臨床開発職
臨床開発職は、研究開発の段階を通過した製品について当局から製造販売の承認を得るために活動する職種で、治験と呼ばれる臨床試験に携わります。治験を行うのは人体に高い影響のある機器に限られ、CRA(臨床開発モニター)やスタディマネージャーといった様々なポジションの方が活躍されています。研究開発職同様高いレベルの医療知識が求められ、特にその領域に関する臨床試験への理解力、プロジェクトマネジメント能力、当局との折衝経験、ステークホルダーマネジメント、統計解析能力など、職種によって様々なスキルが求められます。
薬事職
薬事職は臨床開発に携わる職種で、製品の製造販売の承認許可を得るために行う申請業務が主な仕事となります。最新の薬事規制動向をチームに提供しながら、プロジェクトが規制コンプライアンスを遵守していることを確認し、企業の薬事関連の窓口となって規制当局との折衝を行い、プロジェクトを成功に導くためのサポートを提供します。
品質管理
医療機器メーカーの品質管理は、原材料から製品の出荷まで、医療機器の製造における品質の管理を行う仕事です。工程管理や手順の設計、是正措置や予防措置、品質データの解析、サプライヤーの品質調査やマネジメント・定期監査などを行う場合があり、製品の品質コンプライアンス遵守、安全性向上を確保します。
マーケティング
医療機器業界のマーケティング職は、製品戦略の企画・実行が主な仕事となります。担当製品のブランディング・マーケティング戦略の立案・実行や市場動向の調査・把握・分析、医療従事者向けの学術セミナー・展示会・イベントの企画・実行などがあり、担当製品のコマーシャル責任者という位置づけにあたります。
ただし、企業によっては仕事内容に違いがある場合もあるため、応募の際には詳細をしっかりと確認することが重要になります。
外資系医療機器メーカーに求められるスキルや特性
それでは、外資系の医療機器メーカーに求められるスキルや特性について紹介していきます。
高い倫理観とコンプライアンスへの意識
医療機器の製造販売には、生命関連企業としての高い倫理観が必要となり、医療従事者や関連ステークホルダーへの倫理的で誠実な関係性の構築が求められます。そうした従業員の日々の行動から所属する企業への信頼性が高まり、社会全体からの信頼獲得にもつながっていきます。業務に当たっても様々な法規、規制、企業の行動規範などに対するコンプライアンスへの意識が最も大切であり、そうした意識を常に持ちながら仕事を行うことが必要になります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、医療機器メーカーの全職種に共通して求められるスキルです。どのような職種であっても様々な利害関係者と協働する機会が多くあるため、全ての階層の同僚と良好な関係を保てる対人関係スキルが重要です。営業職やサービスエンジニアのような現場寄りの職種であれば、医師や看護師などの医療従事者に対して自社製品を分かりやすく説明できる能力、現場のニーズを汲み取り咀嚼できる能力、自社製品の優位性を説得できる能力などが必要となります。
特に外資系ではグローバルの一員としてチームプレイが重視される傾向にあり、職位のレベルが上がるほど本社とのコミュニケーションも必要となってくるため、コミュニケーション能力は重要視されるポイントの一つとして挙げられます。
医療機器への興味や関心
医療機器メーカーで働く場合、医療全般に対して興味を持ち続けることは非常に重要です。自社製品への興味と理解はもちろん、他社の製品・サービスや業界全体の動向などについても常にアップデートしていく学習心が求められます。
医療機器業界でのキャリア
医療機器業界は安定しているため、90%近くの方が医療機器業界で定年までキャリアを積まれている印象です。コロナ禍から合わせて、ここ2~3年は比較的、他業界に移られる方の割合も増えてきていますが、移動先も類似性のある業界が多く、IT系企業(ヘルステック系の企業など)や、製薬企業、検査・診断薬の業界である場合が多くなっています。
外資系の医療機器メーカーに転職する際の注意点
外資系の医療機器メーカーに転職する際には、下記のような点に注意する必要があります。
成果主義である
医療機器に限ったことではありませんが、外資系企業の場合、年功序列や終身雇用の概念はなく、常に成果を求められる環境になります。現場であってもバックオフィスであっても、社員一人ひとりに数値目標であるKPIが課され、目標達成のための行動計画を提出することになります。未達成の場合には、降格や減給の可能性がある一方、明確な昇給・昇進制度がある企業が多いため、能力次第では内資系企業よりも早いスピードでキャリアアップを目指していける環境があります。自身が成果主義・実力主義の環境に適しているかどうかを注意深く検討することが大切です。
業界が流動的である
外資系企業にとって日本法人はあくまで海外展開の一つに過ぎず、グローバルの動向次第で組織再編や人事が大きく変わる可能性があるのが外資系企業の特徴です。医療機器をはじめヘルスケア企業では、毎年M&Aによる企業同士の合併や事業の分社化などが発生しており、安定した組織で退職まで過ごせるかは未知数になります。どんな組織に所属しようとも、確固たる専門性と優れたスキルを武器にして、自身のキャリアを考えて転職活動をする必要があるでしょう。
医療機関や医師など提携先との予定を合わせる必要あり
医療機器メーカーの営業職は、病院やクリニックなどの医療機関に製品を販売する必要があるため、医療機関との関係構築が不可欠となります。ただし、ほとんどの医師は多忙であるため、スケジュールを調整するために業務時間外に訪問する必要が出てきたり、医療機器に問題が発生した際には、夜間などに緊急で対応する必要もあります。
また担当領域にもよりますが、外科系などの場合は手術中に機器の使い方を説明したり不具合がないかをチェックしたりするため、手術の立合いを行うことが一般的です。新しい製品の試用で手術に立ち合うこともありますので、不規則で長時間の拘束が発生することもあります。
医療機器系の専門知識について勉強する必要がある
医療機器の技術は高度であり、それらに関する正確な知識を習得することは非常に難しく、それなりの努力が必要となります。そのため、未経験からこの業務に携わっている場合は特に、業務時間外においても、知識の習得に時間を費やす必要性があります。KPIの達成が重要である外資系医療機器業界に転職したいと考えている方は、勉強が必要になることも考慮にいれておきましょう。
外資医療機器メーカーに求められる英語力
外資系医療機器メーカーでは、職種や企業、ポジションにもよりますが、基本的にビジネスレベル以上の英語力が必要となります。英語の論文を読む、海外にいる上司への報告書を作成する、グローバルチームや地域チーム(APACなど)との協働で英語でコミュニケーションを取るなど、ビジネス英語を使用した業務が求められることが多くあります。
そのため、応募要件には英語力が含まれることも多く、TOEICスコアなどが指標として使用されたり、英語面接を実施する企業も多く存在します。外資系企業で求められる英語力については、別記事でも紹介していますので、そちらも合わせてご覧ください。
外資系医療機器メーカーへの転職のメリットとデメリット
それでは、より自分にあった選択をするためにも、外資系医療機器メーカーへの転職のメリットとデメリットをご紹介していきます。
メリット
外資系医療機器メーカーへの転職のメリットは大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、高収入を目指すことができる点です。日本市場に参入している外資系医療機器メーカーは規模が大きいことが多く、実力主義でありインセンティブが大きい傾向にあるため、実力次第では日本企業と比較して高収入を目指しやすくなっています。
2つ目に、実力があれば若いうちから豊富な経験を積むことができる点です。年功序列ではなく実力主義であるため、成果によっては早期からリーダーやマネジメント職に就けたり、新規事業のスタートアップメンバーや拠点の立ち上げなどに携わることができる機会が用意されている企業もあります。
デメリット
一方で、成果が出せない場合は年収が下がってしまう点がデメリットでしょう。日本の企業と比較してインセンティブの割合が高く、収入が不安定になる恐れがあります。また、日本企業のように手厚い教育制度が用意されていない企業もあり、特に未経験で入社した場合には仕事を覚える上で苦労する場合もあります。そのため、転職する際には、給与体系や福利厚生、教育制度などを事前に確認しておくと良いでしょう。
外資系医療機器メーカーに未経験で転職することは可能?
例え未経験でも、外資系医療機器メーカーに転職することは可能です。そんな未経験転職が可能な背景には、大きく2つの理由があります。
まず1つ目は、世界の医療機器産業の規模が拡大する中で、医療機器メーカーの人材不足が問題視されているからです。今後ますます少子化が進む中、業界間でも優秀人材の獲得競争は激しくなるでしょう。取り扱う製品にもよりますが、特に営業職では業界未経験でも積極的に採用を実施している企業もありますので、諦めずエージェントなどを通して情報収集することが必要です。
2つ目に、医療機器の需要が増加していることにあります。2025年問題にもあるように、今後の人手不足の解消のため医療や介護、福祉の分野で医療機器の活用が拡大しています。国のほうでも、政策として医療機器分野の支援を行って医療費のコスト削減を目指しており、医療機器業界にとっては追い風が吹いている状態です。今までよりも医療機器を扱う施設が増えているため、営業職においては他業種の営業経験がある人材も募集する傾向にあります。業界未経験でも、専門的な知識を学ぶ意欲など積極的な姿勢を見せることが重要な鍵となります。
エイペックスでは、外資系医療機器メーカーの求人を数多く扱っており、その分野に特化した人材コンサルタントも在籍しています。外資系の医療機器メーカーに転職されたい方はぜひご相談ください。
外資系医療機器メーカーへの転職なら転職エージェントを活用しよう!
医療機器業界は成長傾向であるとともに、景気に左右されにくく、転職者から人気を得ている業界の1つです。医療機器業界の世界売上高ランキングでは、外資系企業が上位を占めています。外資系の医療機器メーカーは、グローバルの方針転換や医療関係の専門知識が必要になったりと大変なこともありますが、実力次第では高い給与水準や豊富な経験を得ることができます。
そんな外資系医療機器メーカーに転職する際には、英語のレジュメを提出する必要があったり、英語面接が行われるなど、語学力が試される場合があります。英語のレジュメ作成や面接に不安がある方は、ぜひ外資系企業に強い転職エージェントを活用しましょう。
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