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たくさんのサーバーが置かれた暗いデータセンターでタブレットを持って立つ白人男性のITスペシャリスト

【インフラエンジニアとは】仕事内容や年収、エンジニアの種類、求められるスキル・資格、転職のコツなどを徹底解説!

​ITエンジニアにはさまざまな職種が存在しますが、そのなかでも少しわかりずらい「インフラエンジニア」についてご紹介します。

「インフラエンジニアに興味があるけれど仕事内容がよくわからない」という人は、具体的な仕事内容や平均年収、インフラエンジニアの種類、キャリアパス、求められるスキル・資格、覚えておきたい技術トレンド、志望動機の書き方を含めた転職成功のコツについて書かれていますので、ぜひ今後の参考にしてみてください!

目次

  • そもそもインフラとは何か?

  • インフラエンジニアの活躍の場はどこにある?

  • インフラエンジニアの種類

  • システムエンジニア(SE)との違い

  • インフラエンジニアの仕事内容

  • インフラエンジニアに必要な3つのスキル

  • インフラエンジニアに向いている人は?

  • インフラエンジニアの転職・仕事で役立つ資格

  • インフラエンジニアが覚えておきたい技術トレンド3選プラスα

  • インフラエンジニアの代表的なキャリアパス

  • インフラエンジニアの平均年収

  • インフラエンジニアに転職するにはどんな志望動機が良いか

  • インフラエンジニアは「やめておけ」といわれる理由

  • インフラエンジニアは未経験でもチャレンジできるか

  • インフラエンジニアのやりがいと転職成功のコツ

そもそもインフラとは何か?

現代の都市景観と通信ネットワークの概念

インフラとは、英語のInfrastructure(インフラストラクチャー)の略で、社会や経済、人々の生活に必要不可欠な施設や設備、機関のことを指し、それがないと成り立たないまさに国民生活の基盤といえます。

IT領域では、企業などの組織内で情報システムを稼働させる基盤となる設備や要素のことを指します。 ITインフラを構成する要素は多岐に渡りますが、主にハードウェアとソフトウェアの2つの要素から成り立ちます。

  • ハードウエア:LANなどの通信ネットワーク機器、通信機器の配線、HDDやSSDなどのストレージ、サーバーやパソコン、スマートフォンなど

  • ソフトウェア:WindowsやmacOS、LumixなどのOS、データベース管理サーバーなどのミドルウェア

場合によっては、ITインフラを運用するための契約や体制などもITインフラに含まれることもあります。

ITインフラを整備する際にはこのように多くの要素を考慮し予算を計上していきますが、昨今はデータや個人情報の流出、ウィルスの侵入などセキュリティ面にも重きを置いて構築していくことが非常に重要となっています。

インフラエンジニアの活躍の場はどこにある?

インフラエンジニアとは、上記のようにネットワークやサーバーなどITインフラの設計や構築、保守を行うIT技術者のことをいいます。

業務範囲が一般にはわかりずらい仕事ですが、企業のITシステムの基盤を担う大切な職種であり、現代の企業活動に欠かせない存在です。特に昨今の急速なIT技術の進歩により、その活用を影で支えるインフラエンジニアの役割はますます重要になってきています。

インフラエンジニアが担当する業務に明確な定義はなく、担当する技術領域によってネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなど種類を分けて職種を設定していることもあります。会社やプロジェクトによって役割が細分化されていることがありますので、自身の得意分野によって活躍の場が異なってきます。

インフラエンジニアの種類

では、具体的にインフラエンジニアにはどんな種類があるのか、下記で見てみましょう。

①ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、文字どおりネットワーク周辺を担当する専門のITエンジニアをいいます。社内のネットワーク環境や社外との接続環境を構築し、安定した通信が保持できるよう整えます。

ネットワークエンジニアの具体的な業務は以下のとおりです。

  • ルーターやハブ、スイッチなどのネットワーク機器の選定

  • ネットワーク設計図の作成

  • ネットワーク機器の設置

  • VPNやファイアウォール、ロードバランサーの設定

  • ネットワーク関係のトラブル発生時の対応

ネットワークは企業活動の生命線ともいえる存在であり、ネットワークが遮断されると業務が停滞してしまうなど、その企業だけでなく時には社会的にも大きな影響を及ぼします。 問題発生時には大変緊急度の高い対応が必要となり、健全で信頼のおける企業活動のカギを握る仕事であるため、ネットワークエンジニアの責任は重大といえます。

②サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、Webサーバーやファイルサーバー、データベースサーバーなどを構築するIT専門職で、社内外の業務を支えています。昨今では、自社でサーバーを構築・運用するオンプレミス環境から、ハードウェアのサーバーを必要としないクラウド環境でのサーバー構築がメインとなりつつあり、クラウドに対応するエンジニアをクラウドエンジニアと呼ぶことがあります。

サーバーエンジニアの具体的な業務は以下のとおりです。

  • サーバー機器の選定

  • サーバー構成図の作成

  • サーバー機器の設置

  • サーバー環境の設定

  • クラウド環境の設定

  • サーバー環境のセキュリティ設定

  • サーバー関係のトラブル発生時の対応

クラウドサーバーを使用する場合は製品ごとに使い方が異なるため、用途やニーズにマッチした性能を有しているかの見極めが必要です。サーバーエンジニアは、Microsoft AzureやAmazon Web Service(AWS)など特定の製品に精通していると、転職時のアピールポイントとなります。

③データベースエンジニア

​データベースエンジニアは、ビジネスに欠かせないデータを格納するデータベースの構築・設定を行うITエンジニアです。

データベースエンジニアの具体的な業務は以下のとおりです。

  • ​データベースソフトのインストール

  • データベースソフトの設定

  • 運用に応じたデータベース領域の拡張

  • データベース関係のトラブル発生時の対応

一言でデータベースソフトといってもさまざまな種類があり、性能やデータ構造、価格帯などがそれぞれ異なります。Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Server、Microsoft Accessなどの製品があり、データベースエンジニアは使用目的や環境に応じて適切に使い分けることが求められます。
上記のような特定のデータベースソフトに精通していると、転職活動で強みとしてアピールすることが可能な場合があります。

また、各種インフラにセキュリティが必要になるため、セキュリティエンジニアをインフラエンジニアとすることもあります。
ただ、昨今はアプリの脆弱性からセキュリティ事故につながるなどカバーすべき範囲がインフラだけに留まらないため、インフラエンジニアとは別に独立したIT専門職としてセキュリティエンジニアが存在することが多いでしょう。

インフラエンジニアについてさらに詳しくITコンサルタントに聞く

システムエンジニア(SE)との違い

インフラエンジニアとシステムエンジニア(SE)の違いは扱う商材の幅にあります。

  • インフラエンジニア:文字どおり、サーバーやネットワークなどのインフラのみを扱う。

  • システムエンジニア:業務アプリやツールなどを扱うケースもあれば、インフラ導入に携わることもある。

​システムエンジニアがインフラ入替を担当するケースがある一方で、インフラエンジニアが業務システムの開発を担当することはありません。

​システムエンジニアは、顧客である企業へ必要なITシステムについてヒアリングを行い、それに基づいて幅広い商材のなかから最適なシステムを設計・開発する仕事です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

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インフラエンジニアの仕事内容

デスクトップコンピュータディスプレイに表示されるブロックチェーンデータネットワークアーキテクチャの設計と開発について議論する2人のITエンジニア

​ITインフラを構築・運用するには、どのようなインフラが必要なのかといった顧客からのヒアリングから設計書の作成、サーバーやネットワーク機器などのハードウェアの設置、内部のソフトウェアの設定、その後の保守・運用・管理まで様々な業務が伴います。

それでは、インフラエンジニアの具体的な仕事内容を、下記で見てみましょう。

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①要件定義

​要件定義とは、どのようなインフラを構築するのか、プロジェクトの目的を話し合いクライアントと仕様について合意を取るフェーズです。 要件定義を基に後の作業が進んでいくため、顧客と綿密に話し合い完成イメージを共有していく要のフェーズといって差し支えありません。

要件定義では主に以下の内容を決めます。

  • 必要な機能

  • 求める性能(スペック・データの耐久値etc)

  • ハードウェアの構成

  • ハードウェアの設置場所(オンプレミスorクラウドetc)

  • セキュリティ対策

  • 予算

  • スケジュール ​

要件定義での注意点としては、クライアントがシステムに必要なインフラの質や量を把握できていない可能性がある点です。 クライアントが求めるインフラ構成で、システムが適切に運用できるとは限りません。
そのため、インフラエンジニアがシステムの要件や運用状況を一つひとつ確認しながら、必要とする機能・性能は何か、それをどう実装していくのかといったインフラ構成の計画を作成する必要があります。

②設計

要件定義のフェーズで決まった内容を基に、設計書を作成します。

インフラの設計書を作成する目的は以下のとおりです。

  • 文書化することでインフラの構成を誰でも理解できるようにする

  • トラブル発生時に適切に対処できるようにする

設計や構築に関わった技術者が保守フェーズにいるとは限らず、場合によっては別の企業に委託するケースも少なくありません。 一方で、トラブル発生時には確実に対処する必要があるため、設計書にはインフラの構成図やトラブル発生時の対処法を明記しておく必要があります。

​設計フェーズで作成する設計書には、以下の項目が明記されます。

  • ハードウェアの構成(各ハードウェアの接続方法も)

  • ネットワーク経路図

  • ハードウェアのスペック(OSやメモリetc)

  • ソフトウェアの設定値

  • 想定されるデータ量(通信料やユーザー数、アクセス数)

  • データ量の限界値(通信料やユーザー数、アクセス数)

③構築/テスト

設計書の作成が終わったら、設計書を基にインフラを構築します。 構築フェースでは、実際にサーバーやネットワーク機器などのハードウェアを設置したり、内部のソフトウェアの設定を行うなどの作業が含まれます。

構築後は、設計書通りに稼働するか以下のテストなどを行い、問題がなければ構築作業は完了となります。

  • 起動や処理などの簡単な動作確認

  • 要件定義で定めた耐久値でのテストとアラート処理の確認

  • 耐久値を超えた場合のテスト

  • 長時間稼働のテスト

​テストでは、サーバーやパソコンがスムーズに動作するかの快適性や、長期使用や負荷をかけた状態での耐久性も確認します。構築作業とテストが完了した後に、本番稼働がスタートします。

④保守/運用/管理

本番環境の構築が終わると、保守・運用・管理のフェーズが始まります。 保守・運用・管理は、構築したインフラの正常稼働を維持するためのフェーズです。

基本的にインフラは24時間365日の正常稼働が求められており、インフラエンジニアが以下の業務を行います。

  • 安定稼働しているかの監視

  • トラブル発生時の原因調査と対応

  • 法定点検などの定期メンテナンスへの対応

  • ソフトウェアの定期アップデートへの対応

  • 夜間・休日対応の報告書作成

このフェーズはインフラ構築の下流工程であり、基本的には設計書を基に作業するため、これから経験を積むエンジニアや外部に業務委託して管理する場合もあります。 ただ、トラブルが発生した際にはインフラエンジニアには迅速な対応が求められ、最短での復旧が実現できるかが一つの評価ポイントとなるでしょう。

インフラエンジニアの仕事内容についてさらに詳しくITコンサルタントに聞く

インフラエンジニアに必要な3つのスキル

では、インフラエンジニアになるために必要とされる3つのスキルを見てみましょう。

​①ネットワークの知識

ネットワークエンジニアはもちろんですが、インフラエンジニアはネットワークの構造や必要な設定、ネットワーク機器などネットワークに関する全般的な知識が必要です。 たとえば、サーバー機器の通信に問題が発生している場合、原因の特定にはネットワーク側の知識も必要になります。現場にネットワークエンジニアがいない場合には、インフラエンジニアが解決にあたるケースもあります。

インフラエンジニアとして、必要なネットワークの知識は以下のとおりです。 ​

  • ネットワーク機器の配置など物理的にネットワークを構築するスキル

  • IPアドレス・ファイアウォール・ロードバランサーの設定側のスキル

  • ネットワークケーブルの仕様・規格

  • ルーター・スイッチなどのネットワーク機器の特徴

②サーバーの知識

サーバーの構築にはソフトウェアの知識はもちろん、ハードの知識も必要になるなど幅広い知識が必要です。 また、近年ではサーバーにクラウド環境を使うケースも多いため、クラウド関係の知識も必要となります。

インフラエンジニアとして、必要なサーバー周辺の知識は以下のとおりです。

  • Windows/Linux/UnixのサーバーOSの特徴

  • AWS/Azureなどのクラウドサーバーの特徴

  • バックアップやリカバリーのサーバー側の設定スキル

  • サーバー機器の設置や配線など物理的なサーバー環境を構築するスキル

  • サーバー機器の特徴

③プログラミングスキル

高いレベルのプログラミングスキルは求められませんが、インフラエンジニアにもある程度のプログラミングスキルは必要です。

インフラエンジニアには、以下のようなケースでプログラミングスキルを求められます。

  • データベースを操作するためのSQL言語の知識

  • 日時処理などを行うバッチファイルに関するPowerShellの知識

インフラエンジニアに向いている人は?

人を模した木製の人形の列から緑の人形が前に出ている様子

①細部に気を配れる人

インフラは企業活動やサービス提供の根幹を担っており、インフラの良し悪しが企業活動の品質に大きな影響を及ぼします。
そのためインフラの重要性を理解し、エンドユーザーのために細やかな気配りができる人がインフラエンジニアに向いているといえます。昨今でもアクセス過多によるサービスダウンにより、サービス提供に支障をきたす例は少なくありません。インフラエンジニアとしてこのような過去の事例を自ら調べ、顧客が要求する以上のスペックを提案するのが、エンドユーザーを考えた行動といえるでしょう。

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②自分で考えて主体的に行動できる人

インフラエンジニアの業務はルーチンワークになることが多く、ともすれば受動的な作業になりがちです。
そこで、業務効率をいかに上げるかで評価が分かれます。 目の前の仕事をただこなすのではなく、日々の業務をいかに効率的にまわしてリソースを削減できるか、主体的に改善策・対応策を考えられるかがインフラエンジニアに求められる点になります。

③トラブルに冷静に対処できる人

ネットワークやサーバーなど、インフラ周辺で発生するトラブルは大きな事故につながりやすいため、企業やユーザーに大きな影響を与えます。トラブルの防止策を用意していても、想定外の原因でインフラが止まることは十分にあり、また問題解決を急ぎ過ぎるために事態を悪化させるリスクもあります。
インフラエンジニアは、一刻も早くトラブルを解消しなければならないプレッシャーと戦いつつ、どのような場合でも冷静に対応できる特性が必要となります。

④ハードウェアに興味のある人

インフラエンジニアは他のエンジニアとは異なり、ネットワーク機器やサーバー機器などハードウェアと切っても切れない関係にあります。
業務で扱う可能性が高いため、ハードウェアの構造に興味のある人や、新しいハードウェアに触ることが好きな人がインフラエンジニアに向いているといえます。機械が苦手な人は、インフラエンジニアの業務が苦痛になる可能性が高いかもしれません。

⑤自己研鑽への意欲がある人

インフラエンジニアに限ったことではありませんが、自己研鑽への意欲はITエンジニアを目指すうえで欠かせない要素です。IT業界は日進月歩で技術が生まれているため、今日の最新技術が明日も最新とは限らないためです。
ソフトウェアだけでなくハードウェアやクラウドの情報にもアンテナを張り、常にレベルアップしようとする意識を持たないと信頼されるインフラエンジニアになることは難しいでしょう。

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インフラエンジニアの転職・仕事で役立つ資格

インフラエンジニアになるために特定の資格は必要ありませんが、転職時や昇進昇格には資格が有利に働くことがあります。特に経験の浅いエンジニアの場合は、下記のような資格を保有することで自身の能力のアピールにつながります。ぜひ、取得を検討しましょう。

  • 基本情報技術者試験独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催するIT系の国家試験で、レベル2に当たる。ITエンジニアの登竜門といわれ、近年は受験者のおよそ40%~50%が合格しており、まずは取得したい資格のひとつ。

  • 応用技術情報者試験:IPAが主催するレベル3のIT系国家試験。技術から管理・経営までITエンジニアとしての幅広い知識と応用力が証明でき、システム開発、IT基盤構築などで高いパフォーマンスの発揮が期待される資格。合格率はおおよそ20%強と比較的難易度が高く、レベルの高いITエンジニアとしての証明になる。

  • ネットワークスペシャリスト試験:IPAが主催するレベル4のIT系国家試験。ネットワークの固有技術からサービス動向まで幅広く精通し、目的に適合した大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築・運用できるネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指す場合に取得したい試験。合格率は15%前後と低く、合格できればネットワーク分野のスペシャリストとして高く評価される。

  • データベーススペシャリスト試験:IPAが主催するレベル4のIT系国家試験。企業活動を支える膨大なデータ群を管理し、パフォーマンスの高いデータベースシステムを構築して、顧客のビジネスに活用できるデータ分析基盤を提供するデータベース管理者やインフラエンジニアを目指す場合に取得したい試験。合格率は15%前後~20%弱と決して高くはなく、現場経験に基づく問題が多いため、合格すれば実務レベルでの高いスキルを示せる資格となる。

  • CCNA/CCNP:大手ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズが提供するシスコ技術者認定試験の一つで、ネットワークエンジニアの技能を認定する世界共通の資格。CCNAはネットワークの基礎、IPサービス、セキュリティの基礎、自動化およびプログラマビリティなど、ネットワークの基本的知識を証明するエントリーレベルの位置づけ。CCNPは中級レベルで、取得すると大規模ネットワークの導入・運用・保守などのスキルが証明され、ネットワーク分野の専門家として転職時にも有利に働く。

  • AWS認定ソリューションアーキテクト:クラウドシェアでNo.1のポジションを確立するAWSが提供する世界共通の認定資格の一つで、クラウドの知識を証明する中級レベルの試験。AWSの使用経験1年以上のインフラエンジニアが対象で、AWSに関する全般的な知識を基に効率的なクラウド環境の設計・構築スキル、顧客への提案力が証明できるため、転職市場でも有利になる。

  • Linux技術者認定試験/LinuC(リナック)/LPIC:LinuxOSのスキルを認定する試験で、Lunicは日本市場に合わせて設計された試験、LPICは世界共通資格。3つのレベルに分かれ、主要OSであるLinuxに関する知識とともに、アーキテクチャ設計からシステム構築、運用管理までの実践的スキルが問われ、インフラエンジニアに求められるスキルを証明できる。

インフラエンジニアが覚えておきたい技術トレンド3選プラスα

少女の脳にフォーカスする人工知能の概念

AWSやAzureが企業のインフラ構築を一変させたように、新しいテクノロジーはインフラエンジニアの仕事にも大きな影響を与えます。 転職市場で複数の企業から内定が獲得できるような価値の高いインフラエンジニアになるためには、技術的なトレンドを常に追う必要があります。

IT分野における近年の技術トレンドには以下のようなものがありますので、知識をアップデートして知見を高めておきましょう。

①オンプレミスからクラウド環境へ

昨今ではオンプレミス環境よりも、クラウド環境でのサーバー構築がメインになりつつあります。クラウド移行の経験を持つインフラエンジニアは転職市場で需要が高いため、その場合自身の経験を活用できるチャンスを見極めましょう。

②クラウド環境の併用(マルチクラウド/ハイブリッドクラウド)

①のクラウド化に伴い、オンプレミス環境だけ、クラウド環境だけというケースだけではなく、さまざまなクラウド環境を使い分けたり、オンプレミス環境とクラウド環境を併用したりする環境を構築するケースが増えています。そのような経験を有するエンジニアも、転職市場では有利になります。

③ゼロトラスト

こちらも① のクラウド化に伴い、さまざまな経路からのアクセスが可能になったことでセキュリティ面でのリスクが増大しています。社内外を問わず、どこも信用しない(=ゼロトラスト)の概念でセキュリティ対策をする必要性が出てきています。

また将来的に、一般化する可能性がある技術的なトレンドは以下のとおりです。今後の参考にチェックしておきましょう。

  • AIによるシステムのパフォーマンスの監視や異常の検知

  • IOWN(次世代の通信ネットワーク技術)

  • PMEM(揮発性メモリーと不揮発性メモリーの両方の特徴を兼ね備えたメモリー)

インフラエンジニアの代表的なキャリアパス

インフラエンジニアとしてキャリアを積んだ先には、どんなキャリアパスがあるのでしょうか?高いスキルを持つインフラエンジニアは転職市場で需要が高く、今後大きなキャリアアップが見込める求人に応募できるチャンスも増えてきます。

​自分はどんな志向を持っているのか、できるだけキャリアの早い段階から今後のキャリアパスについても見据えながら経験を積んでいきましょう。

①プロジェクトマネージャーなどのマネジメント職を目指す

インフラエンジニアとして、下流工程から上流工程に携わっていくなかで技術力を高めつつ、プロジェクトリーダーなどのマネジメント経験を徐々に積むことで、マネジメント職を目指すキャリアパスがあります。 プロジェクトマネージャーはシステムエンジニアが目指すポジションと思っている人も多いかもしれませんが、経験を徐々に積んでいくことでインフラエンジニアであっても就けるポジションです。
マネジメント経験を持つと転職時にも有利に働き、さらに上級のポジションへのチャンスが広がりますので、上昇志向のある人に向いています。

マネジメント職に就くには、以下のようなインフラ以外の知識・スキルが必要です。

  • システム開発の知識

  • スケジュール管理能力

  • コスト管理能力

  • リスク管理能力

②ITスペシャリストを目指す

インフラエンジニアとして経験を積みながら、自身の適性や志向に合わせてネットワークやセキュリティ、クラウドサービス、データベースなど特定分野に進んでスキルを極めるのも一つのキャリアです。
サーバーやネットワークなどのインフラ周りは”奥”が深く、新しいテクノロジーも多く登場するため学ぶことが数多くあります。ニーズの少ない分野であれば学び続けるのは将来的なリスクとなりますが、インフラ周辺はどのような企業や現場でも必要となり、将来性も高い分野です。
ITスペシャリストとして自身の得意分野を突き詰めるのも一つのキャリアの選択肢であり、転職市場でもニーズが高まるでしょう。

③ITコンサルタントを目指す

ITエンジニアとしてのスペシャリティを活かし、クライアント企業の経営課題やIT課題の解決・コンサルティングを行うITコンサルタントを目指すことも考えられます。 顧客の事業成長のための課題設定や施策の提案、顧客とのコミュニケーションやプロジェクトマネジメントに向いている人、ビジネススキルを高めたい人に向いています。
就職先で最も需要が高いのはコンサルティングファームですが、IT業界のなかでも高い年収が期待でき実力次第で未経験でもチャレンジできますので、キャリアアップの可能性がある分野です。

④事業会社への転職を目指す(社内SE)

企業活動にはサーバーやネットワークなどのインフラが必須になるため、一般の事業会社で社内SEとして知識や経験を存分に発揮するのもキャリアの選択肢になります。 インフラ周辺の知識は習得が簡単でないため、多くの事業会社が優秀なインフラエンジニアを求めており、知識や経験次第では高年収での転職が実現できるうえ、入社後も社内SEとして一定のポジションを確立できるでしょう。
その後も、インフラ周辺のことを一手に引き受けることができれば企業になくてはならない存在になります。業務効率の改善につながるインフラのアップデートが提案・導入できれば、さらに高い評価につながるでしょう。

そのほかにも、フリーランスとして活躍するインフラエンジニアの人もいます。

インフラエンジニアのキャリアパスについてさらに詳しくITコンサルタントに聞く

インフラエンジニアの平均年収

インフラエンジニアをはじめとしたITエンジニアは、他業種に比べて高い年収が見込める職種です。

企業規模や役割の範囲、経験などによって大きく異なりますが、未経験者の場合400万円前後からのスタートが一般的でしょう。

経験のあるスタッフレベルでの採用の場合、500万円~経験値によっては1,400万円くらいまでの幅広い年収範囲で採用の可能性があります。

さらに経験を積みマネージャーレベルになるとそれ以上の年収も見込めますので、若手の頃から計画的にキャリア人生を考えて選択していくことが大切です。

インフラエンジニアの年収についてさらに詳しくITコンサルタントに聞く

インフラエンジニアに転職するにはどんな志望動機が良いか

インフラエンジニアに転職する際には、「なぜインフラエンジニアなのか」「なぜその企業なのか」といった理由付けが大切です。
志望動機は転職の際に必ず聞かれる質問であり、論理的で前向き、自己成長や応募先企業での展望について語るものにします。また、履歴書の段階から採用面接での質疑応答まで、必ず一貫性のある内容にしましょう。

志望動機に織り交ぜる内容:

  1. さまざまなITエンジニアのなかから「なぜインフラエンジニアを希望するのか」を明確にすること。「企業活動の根幹を担いたい」「人の役に立ちたい」「成長の機会が多い」などインフラエンジニアならではの魅力とともに、面接官が共感できるような自身の想いや熱意を自分の言葉で語れるようにしましょう。

  2. なぜその企業でなければならないのか」の具体的な企業の魅力を伝えること。「大手だから」「成長中の企業だから」など、どの企業でも当てはまるような回答は避け、しっかりと企業リサーチをしたうえで自身の志向と結びつけて理由を説明しましょう。

  3. 上記であげた「インフラエンジニアに求められるスキル」を自分が有している裏付けを、数字や実績などを交えて具体的に示し、それが新しいポジションでいかに役立てられるか、会社にどう貢献できるかといった将来性の高さをアピールしましょう。

インフラエンジニアは「やめておけ」といわれる理由

インフラエンジニアは人の役に立つ実感が得られやすいやりがいのある仕事ですが、ときに「やめておけ」というデメリットも聞こえる職業です。

その理由の1つが、24時間いつでも障害対応を求められる職業であるという点です。トラブルが発生すると速やかな復旧だけでなく、原因究明や経営陣へのレポート、その後の再発防止策の策定なども必要となり心身共に多くの労力が必要となります。

また、設定変更やメンテナンスは営業時間外に行うことが多いため、ときに休日や深夜の作業が発生するかもしれません。

また上記でも述べましたが、日進月歩のIT技術に常にアンテナを貼り知識をアップデートしなければならないため、勉強の負担をデメリットにあげる人もいるかもしれません。

インフラエンジニアの仕事の考えられるデメリット:

  • 24時間いつでも障害対応を求められる

  • トラブル発生時の作業量の多さ

  • 営業時間外の作業の必要性

  • 知識のアップデートのための勉強の負担

インフラエンジニアは未経験でもチャレンジできるか

全くのIT業界未経験の場合、いきなりインフラエンジニアとして採用されることはありません。

ただし、昨今のITエンジニア不足はどこの企業でも深刻で、エントリーレベルのIT分野の仕事から少しずつ経験を積んでいけば、将来的に目指すことも可能です。上記であげたような資格取得も目指しながら、自己研鑽に励み実践レベルの経験を積んでいきましょう。

一方で、なんらかのIT技術職に就いていた方であれば、未経験者でもインフラエンジニアとして採用されるケースは多くあります。その場合、下流工程であるサーバーやネットワークの監視業務に従事することが多いでしょう。

監視は交代制でマニュアル通りに作業を行うことが基本となりますので、「楽すぎる」と感じる人もいます。ただ、就職した企業により人員がきちんと確保されているかはまちまちで、また「楽だ」といって現状に満足していてはキャリアアップは見込めません。

もし未経験でインフラエンジニアを目指したいのであれば、転職エージェントの力を借りてキャリア形成のサポートをもらい、最も適した求人に応募するようにしましょう。

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インフラエンジニアのやりがいと転職成功のコツ

ビジネスマンとビジネスと成長の概念である3本の矢

インフラエンジニアは大変な面もある一方、安定性と成長性を兼ね備えた魅力的な職業であるといえます。

どの企業でも必要とされる安定的な求人があるポジションでありながら、ITインフラの構築という事業の根幹に関われる仕事であり、携わる案件も大規模プロジェクトである傾向にあります。IT技術を土台から学べ、広範でありながら最先端のスキルを習得できるためやりがいを感じやすいでしょう。

採用面接では広範な知識だけでなく、志向性を問われるケースが多くあります。例えば、Aのツール、Bのツールと複数の選択肢があったとき、なぜその場面でAのツールを導入したのか、AとBそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて理由を説明するなどです。 そのため、普段の業務から思考の言語化を行う習慣をつけておくと、より魅力的なキャリアパスにつながるかもしれません。

インフラエンジニアは他業界にチャレンジしやすい職種でもあるため、より良いキャリア人生を目指す方はIT業界専門のコンサルタントと定期的にコミュニケーションを取り、幅広く情報収集しておくことをお勧めします。

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