当初描いていたアフターコロナがウィズコロナに代わったことで、多くの経営者がこの状況を前向きに捉え始め、既存のビジネスモデルを積極的に変革していこうという意識変革が生まれています。そのため、転職市場も大きくその影響を受けています。今後は、どのようなスキルを持った人材が企業に求められるのでしょうか?
「即戦力」を求める動きは引き続き継続
新型コロナウイルスの感染拡大によって、転職市場はまだまだ先行きが見通せない状況にあります。採用する側の企業としても、リスクを最小限に抑えたい傾向は今後も続くことが予想され、以前にも増して「即戦力」「成果主義」が色濃くなっています。そのためには、「実績」などのハードスキルの構築が重要です。一朝一夕で成せるものではありませんが、今後予想される数年間の不安定な市場動向を見据え、転職市場で戦える高スキルを身に着けておけるようなキャリア形成が必要です。
加速するDX化に対応できる人材
大企業はもとより、今や中小規模の企業においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)化が推し進められています。コロナ禍による景気の停滞・低迷で、企業にとってはDXの推進は一刻も早く実現しなければならない命題となりました。
そのために、様々な役割を担う多くのDX人材の採用が急務となっています。IT技術のスペシャリスト、業務に精通したエンジニア、現場との間を繋ぐエンジニア、ITストラテジストのように経営面からDXを検討できる人材など、DX実現の上流工程に位置するハイクラス人材なら様々なキャリアオプションがあるでしょう。
一方で、日本ではIT人材の不足は今後さらに深刻化することが予想されており、ポテンシャル採用から自社でIT人材を育成する企業もあります。その場合、ITトレンドの把握や技術取得のための努力や姿勢、自ら課題を見出し行動できる能力、チームワークなど、自身の様々なアドバンテージを示す必要があるでしょう。
「実行力」「運営力」を備える人材
コロナ禍などで事業変革を迫られる企業にとって、「戦略実行力」と「事業運営力」を備えた人材確保は不可欠です。そうした人材を育てる人材開発部門を強化する企業も見られます。企業は、オーナーマインドを持った人材を1人でも多く育成することで、スピーディーに変化に対応し成果につなげようとしています。いくら素晴らしい戦略や事業計画を打ち出しても、実行できなければ意味がありません。
そのために、自身が過去に実際に実行できたこと、自身のどんな特性が成功につながったのか、実際の成功体験を通して自身のコミットメント力、問題解決能力、リーダーシップ力、イニシアティブを発揮できる能力を示せるようにしましょう。
WEB面接対策は必須
働き方改革にコロナ禍が加わり、在宅勤務、リモートワークは今後も定着していくことが予想されます。採用面接に関しても、引き続き多くの企業が最終面接までリモート、内定の決定を下している状況です。
そのため、事前のWEB面接への対策は必須です。覚えておきたいのは、WEB面接では対面以上のコミュニケーション力の顕示が必要となる点です。オンラインではお互いに自然と質疑応答を凝縮してしまい、インタラクティブな会話に繋げられない問題があります。オンラインといえど、採用側はやはり最終的には「人間性」を見て合否を下す傾向は対面と変わりません。そのため質問に回答するだけでなく、面接官と「会話」することを心掛ける、ややオーバー気味くらいのうなずきや反応を心掛ける、など、自分は意思疎通が図りやすい対人能力に優れた人間であることをしっかりとアピールしましょう。
まとめ
厚生労働省が発表する有効求人倍率は、2020年7月から現在に至るまで1.0倍台という低水準で推移しています※。また、全国求人情報協会によると、全職種の求人広告掲載件数は同年4月から前年比でマイナスに転じており、同年11月は-44.2%でした※。依然として先行き不透明感が景気を支配していますが、一方で引き続き採用活動を行う企業も数多くあり、エイペックスでも毎日多くのポジションで新しい求人案件を受けています。このコロナ禍は、ご自身の働き方を見直すきっかけになった方も多くいらっしゃると思います。不確実な要素が多い今だからこそ、転職エージェントなどを通して正しい情報収集を行いながら、ぜひご自身の可能性を探ってみてください。