エイペックスでは、ヘルスケア業界で働く従業員を対象とした仕事満足度アンケートを行い日本のヘルスケア業界における仕事満足度レポートを作成しました。そこで分かったのは、アンケートに回答したヘルスケア業界(バイオテクノロジー、製薬、病院、医療機器)で働く人の94%が、もっと責任のある仕事を望んでいるという興味深い事実でした。
・94%のヘルスケア従事者は、もっと責任のある仕事を望んでいる
「もっと責任のある仕事」と言っても、人により捉え方が異なります。チームマネージャーになる事が大きな責任だと考える人もいれば、大きなプロジェクトを任されることや、世界中のチームの架け橋になることが大きな責任だと捉える人もいるでしょう。
それでは、これは何を意味するのでしょうか?仕事の責任とは何なのか、そしてこの回答者たちは、どうやって現職場でそれが叶えられると確認できるのでしょうか?より大きな責任を望んでいると答えたアンケート回答者94%のうち、たったの50%のみが、責任の大きな仕事を与えられないので転職を考えていると答えたのも、また驚きの事実でした。
責任のある仕事とは何なのか?
会社や部署の規模によって、仕事の責任は意味が変わってきます。下は、ヘルスケア業界の様々な分野で共通して言えることでしょう:
大企業:多くが官僚的で、従業員一人一人の裁量は少ない代わりに、特定分野の仕事に深く従事することが可能となります。またその企業規模から、長期的にキャリア形成するための様々な機会が提供されることが多いです。
中小企業:社員は部署や分野を超えて働くことが多く、責任も多岐に渡ります。そして、一人一人が業務で負う責任も重くなります。中小企業では、社員一人が会社や業務に及ぼす影響が大きいため、成功も失敗も直に個人に反映します。
新たなチャンスを求めて転職を考えている人は特に、大企業と中小企業での仕事の違いを認識しておくと良いでしょう。
人事担当は社員のモチベーション低下とどう向き合うか
仕事能力は確実に上がっているのに、与えられる仕事の責任がなかなか大きくならない。そう社員が感じた場合、いずれどちらかの事が起こるでしょう。自分の価値が認められていないと感じ、仕事に対するモチベーションが下がり、生産性が落ちていくか。もしくは、モチベーションはそのまま高く、そのために更なる成長を求めてチャンスを与えてくれる会社に転職するか。そして人事部は、人の入れ替わりが多くなったことに気づき、唖然とするでしょう。
そうならないために、人事部の担当者はどの社員がより大きな責任を望んでいるかを知っておくことが重要です。現実的に、既にいる社員にもっと責任の大きな仕事を任せる方が、外部から新たに人を見つけてくるよりもずっとコストが抑えられます。もしこれで新たな社員教育が必要となり費用が上乗せされたとしても、94%の人がより大きな責任を望んでいるという事実を考えると、得の方が多い結果となるでしょう。
昇格させてあげたくても、その人の上のポジションに空きがないので不可能だというケースもよく見受けられます。ですが、その場合でも社員に成長のチャンスを与える手段はたくさんあります。人事担当者は、その社員の将来的なスキルアップをどうやって応援できるか、部署移動をさせてあげられないかなど多方面から考えてみましょう。任務の変化は、責任が大きくなることと同じくらい社員のモチベ―ションを高められます。
変化を起こすべきタイミングは?
どんな人でも遅かれ早かれ、自身の成長の壁にぶつかる時が来るものです。それが、能力に見合った責任を与えてもらえていないと気づくタイミング、仕事が停滞状態にあることを意味します。近年では遅くに定年を迎える人が増えたため、若い社員たちの成長機会がさらに狭まっています。これは多くの人の仕事へのモチベーションを下げるだけでなく、転職したとしても、「前の会社で十分なキャリア形成をしていなかった」と過小評価されてしまう可能性もあります。
私、成長していない?と感じる人へ
前にも述べたように、仕事の責任というのは人によって意味合いが異なります。ですからまずは、自分にとって何が仕事満足度につながるのかをきちんと理解し、今の会社がその要素を満たしてくれるのかどうかを見極めることが大切です。そして、もしそれが求められないと感じてもすぐに転職を決めるのではなく、なぜ自分がキャリア成長していないのか、どうすれば今の仕事の中で成長することができるかを上司と話し合ってみることをお勧めします。
もし今の会社ではこれ以上成長できない、責任のある仕事を任せてもらえないとわかったら、成長するチャンスを与えてくれる会社への転職を視野に入れてみましょう。リクルーターのように、どの会社が自分の求める機会を与えてくれるかをわかっている人に頼ることで、仕事探しはとても簡単になるでしょう。最後に、新しい仕事がどのような成長チャンスをもたらしてくれるかをしっかり把握したうえで応募しましょう。キャリアチェンジは必ずしも大きな企業に行けば良いというわけではなく、人によっては今より小さな企業に行くことや、今より大きな企業の低い役職へと転職することがプラスになる場合もあるので、自分に合ったスタイルを見つけましょう。そして自分が求めているのは責任の大きな仕事なのか、それともワークライフバランスか、高い給料か。自分が最も重視する満足要素をよく考え、それを軸に転職先探しをしていきましょう。