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70歳まで働く時代へ シニアになっても活躍するために

2021年4月から高齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就労機会の確保が各企業の努力義務となりました。皆さんの勤務先で、一番高い年齢の方は何歳くらいの方がいらっしゃいますか?高齢者雇用なんてまだ先と思っているあなたも、今からできるセルフブランディングに力を入れ始めたほうが良いかもしれません。

そもそもこれまで企業には、65歳までの雇用確保が義務として求められてきました。今回の法改正は、65歳までの雇用確保(義務)に加え、70歳までの就業機会の確保が努力義務として求められ、①70歳までの定年引上げ、②定年制の廃止、➂70歳までの継続雇用制度(再雇用など)の導入、④70歳までの業務委託制度の導入、⑤事業主が実施又は出資する社会貢献事業への70歳までの雇用制度の導入、いずれかの取り組みが求められることになります

ジレンマは1回じゃない?!

しかし現在、多くの企業では役職定年制を導入しており(企業全体の34.1)、一般的には55歳くらいになると役職定年を迎え、部長や課長といった職が解かれます。

想像してみてください。

昨日まで部長だった人が、役職定年を迎えたからといって明日から部長以下の仕事をするでしょうか。おそらく能力があるから部長職だったはずです。新たに部長に就任した若手のケアやフォローを率先して行うのではないかと思います。

しかし、役職定年を迎えるイコール管理職手当がつかない、賞与が減る、などの問題が浮上します。新任部長へのケアやフォローは一時的だから…ということもあると思いますが、役職定年を迎える世代は、確実に給与が下がりながらも仕事の内容はあまり変わらないという1回目のジレンマを迎えます。

2回目のジレンマがやってくる?!

そうこうしているうちに、現在多くの企業が定年とする60歳を迎えます。そこで、2回目のジレンマがやってきます。

企業は65歳まで雇用の機会は与えますが、これまでの給与体系と変わることが一般的です。嘱託再雇用や嘱託社員といった言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これは「正規の社員とは区別して」、「有期で雇用契約を結ぶ」というニュアンスが含まれています。これまでの功績や貢献を加味してくれる企業もありますが、ほとんどの企業は、現役時代の給与よりも大幅に下がる雇用契約で65歳までの雇用機会を打診するのです。

役職定年で給与が下がり、更に、60歳を超えてまた給与が下がる…。能力は今までと同様に期待されるわけですから、雇用される側からすると2回目のジレンマが役職定年から数年で訪れるわけです。

3回目のジレンマが発生する?!

はじめにお伝えした通り、2021年4月から各企業には70歳までの就労機会の確保が努力義務として求められるようになりました。これまで65歳で退職すると思っていた社員が、さらに5年延長して企業に残るということです。65歳以降も仕事をしたい高齢者は、どのような給与体系になるのでしょうか。更に、3回目のジレンマが襲ってくるかもしれません。

今から自分にできる取り組みとは?

これまで65歳までの就労機会を確保すれば良いと思っていた企業は、更に5年延長になることで人件費や勤務内容、福利厚生等、さまざまな見直しを求められています。

そこで、今後さらにクローズアップされてくるのがジョブ型雇用です。ジョブ型雇用として高齢者と労働契約を締結し、どのジョブをどの程度、どのくらいの内容で行い会社に貢献してくれるのかを評価基準として、定年後の社員の給与を決めていく制度が増えていくと思われます。今後は定年後も、ゼネラリストよりもスペシャリストが求められる傾向にあることを念頭において、自身のキャリアパスを描くことが大切でしょう。

一方、デジタル化AIの推進によって今ある雇用が数十年後も確保されている保証はありません。また、今後やってくる大量の高齢者雇用の時代、ジョブ数が足りなくなることも予想されます。長く就労することが希望であれば、これからの時代は今、目の前にある仕事に取り組み成果をあげることだけに満足していては十分ではありません。

まずは、仕事以外の好きなことや取り組んでみたいことを見つけてみましょう。学生時代に夢だったけど諦めてしまった何かでも良いですし、趣味で少しかじっているだけの分野でも問題ありません。これまでもらった名刺の人とLinkedInなどSNSでつながる活動をするだけでも構いません。

色々な分野で得意領域を見つけ極めていくことで、高齢者ジョブ型雇用の時代になった際、様々な企業から声が掛かる人になるのか、ならないのかの差が出てきます。高齢者ジョブ型雇用としての就業先は、1社だけではない時代が必ずやってきます。仕事以外の自分を語れる何かを、今のうちからいくつか見つけておきましょう。

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